EC・ネットショップの倉庫移転・物流会社の乗り換え手順を解説、タイミング、注意点も

EC・ネットショップの倉庫移転・物流会社の乗り換え手順を解説、タイミング、注意点も

EC事業をされている方で、在庫の保管スペースをもっと広くしたい、会社の方針でコストを抑えたいなど、倉庫の移転や物流会社の乗り換えを検討されることがあります。

その際、急に場所を移すといっても準備過程や準備期間をしっかり設定して行わなければ、失敗し損失を生んでしまうこともあります。

今回は倉庫移転の全体的な流れ、適切なタイミング、移転スケジュールの立案、そして失敗しないための注意点について解説します。

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物流倉庫の移転・乗り換えを考えるタイミングとは?

まず、どのタイミングで物流倉庫の移転を考えるのかについてですが、いくつか例を挙げてみます。

  1. 出荷量が増加し業務量が増えたとき:業務量が増えて人員リソースが不足し商品発送に遅延やミスが生じている
  2. 倉庫のスペースが追いつかない場合:市場や販路の拡大に伴いより広い倉庫でなければ回らない
  3. 誤発送などのミスが発生したとき:受注数などが増加すると発送先を誤ったり、商品のピッキングミスが増える
  4. 物流を効率化したいとき:配送地域を含め新たな物流戦略を検討して場所を移すことで、より業務が効率化され物流が最適化される場合
  5. サービス内容を改善したいとき:自社が行いたいサービスや作業が行えない

このような問題や状況が生じた場合、物流倉庫の移転・乗り換えを考えると良いでしょう。

倉庫移転・乗り換えする際に押さえておきたいポイントとは?

移転する際の4つのポイントについて解説します。

1.契約期間を確認する

まず確認したいのが既存倉庫や物流会社との契約期間です。

新しい倉庫に移転する前にしっかり確認しておかなければ、後からトラブルが生じたり、予算外の費用が発生してしまうこともありますので、必ずチェックするようにしましょう。

2.逆算してスケジュールを組む、移転期間は最短1ヵ月

倉庫の移転・乗り換えは、最短で1ヵ月ほどかかります。

規模が大きい、一から物流戦略を策定し実施する場合などは、3ヵ月から半年ほどを準備期間の目安にして移転を考えておく必要があります。

短期間で雑に行ってしまうと後々問題が生じることもあるので、余裕をもって準備できるようにしましょう。

3.スムーズな移転を実現しタスクの役割分担は明確に

倉庫移転や乗り換えは多くのタスクが発生します。

設備の搬出入、業務システムの移行、新倉庫での業務フロー設定など、そのすべてが連動しており一つのタスクが滞ると全体的に影響を及ぼします。

まず整理したいのが、

  1. 自社でやるべきこと
  2. 新しい物流委託先がやるべきこと
  3. 自社と新しい物流委託先、一緒にやるべきこと

の3つです。

進捗管理を定期的に行い、問題が発生した際には素早く対応することでスムーズな移転が可能になります。

4.すべての関係者と情報共有をする

倉庫移転や乗り換えは多くの関係者が関与するため、情報共有は欠かせません。

計画から実施、評価まで、全てのステージで関係者とのコミュニケーションを密に行わなければいけません。

予期せぬトラブルを防ぎながらも、万が一移転作業中の業務変更やトラブルが起きた場合は迅速かつ適切に判断しましょう。

それらを可能にするためにも関係者との情報共有は必須です。

物流倉庫移転・乗り換えのスケジュール

物流倉庫の移転が具体的にどのような流れで行われるのかについて、詳細スケジュールを一つずつ解説します。

1.新たな委託先の選定と契約

物流倉庫を移転する際の1つ目のステップは委託先の選定と契約です。

まずどの業者に委託するのか、何社かリストアップして問い合わせを行いましょう。

選定するときに留意するべき点は、自社が要望するサービスが実現可能か、自社のシステムと連携可能か、品質管理や効率化を図れるかなどです。

選定した後には見積もりを出してもらい、実際に倉庫の見学ができる場合は足を運んで、立地や広さなどを確認するのがベストです。

最後に、契約者相互が条件のすり合わせを実施し、契約を実行します。

2.基本的な移転スケジュールの検討

新しい委託先と契約を行い、次に行うのは移転スケジュールの作成と検討です。

物流倉庫の移転計画は、基本的な計画の土台を検討することから始まります。

この土台がスムーズに移転を行う上で最も重要です。

現状を分析して課題を設定した上で新しい倉庫の位置、物流設計、予算の確保などを行い、また将来的な事業展開も計画して倉庫移転作業を進めていくことが大事です。

作業内容や運用ルールなどを、自社、システム担当者、営業担当者などと話し合い、稼働日なども含めて擦り合わせを実施します。

3.システム連携の準備

運用計画が決定すると、それに基づきシステム連携の準備に移ります。

新しい委託先との間でECサイトやシステム連携が可能かどうかをチェックし、シミュレーションも早く実行するようにしましょう。

ECサイト側では、連携するのに必要な商品情報や出荷指示データなどをチェックします。

また、新しい倉庫のWMS(倉庫管理システム)が自社のシステムとうまく連携されなければ、エラーを確認し対処法を考えなければいけません。

システムにおける出荷指示が新しい委託先のWMS(倉庫管理システム)に問題なく送信されるか、そして先方の出荷完了データが自社システムに確実に送信されるかを確認します。

4.運用計画の確認

新しい倉庫でのオペレーションの確認はとても重要なポイントの一つです。

運用計画では

  • 入庫
  • 在庫管理
  • ピッキング
  • 検品方法
  • 梱包方法
  • 同梱物
  • 出荷
  • 返品

などの作業フローと運用ルールを決定し、人員リソースや設備がどれくらい必要なのかを決めていきます。

細かく設定し、何度もシミュレーションを行うことが大切です。

5.在庫を移動させる

在庫移動は大手運送会社や引っ越し業者を利用して行うのが一般的です。

既存倉庫の入庫日の期限と、新しい倉庫への入庫開始日を決めましょう。

在庫移動前に入庫作業を既存倉庫から新しい倉庫へ切り替えることで、最小限の在庫移動で済むのでぜひ参考にしてみてください。

6.新しい物流倉庫での稼働開始

システム設計や在庫移動を終えて新しい倉庫で稼働を開始します。

ここで注意したいのが、すぐに稼働できないという点です。

データ連携の不備があると伝票がうまく印刷されなかったりするので、まずはテストを行い不備がないかチェックしましょう。

まとめ

今回は

  • 物流倉庫の移転・乗り換えを考えるタイミングとは?
  • 倉庫移転・乗り換えする際に押さえておきたいポイントとは?
  • 物流倉庫移転・乗り換えのスケジュール

についてご紹介しました。

物流倉庫の移転・乗り換えは、新たに業務を拡大する事業者や新規開拓を目指す企業にとって、検討すべき要素の一つです。

新倉庫へ移転しトラブルが起きてしまうと、大きな損失に繋がることもあります。

余裕をもった準備期間、緻密な計画を設定し、より効率化できるようにしましょう。

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醍醐倉庫ブログ編集部
醍醐倉庫株式会社のEC通販・ネットショップ事業者向け物流アウトソーシングサービスのメンバーによって構成される編集部。20年以上EC物流をサポートしてきた実績と豊富な知識をもとに、EC・ネットショップ運営に役立つさまざまな情報をお届けします。

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