EC市場の拡大に伴い、物流倉庫の業務負荷も高まっています。
そのような中、受注から出荷までの業務を自動化し、作業負荷を軽減したいとお考えのEC事業者様の多いのではないでしょうか。
また、
- そもそも自動出荷ってどんなシステムでどんなメリットがあるの?
- 具体的な自動出荷のリスク・注意点を知りたい
という方も多いと思います。
そのような方に向け、この記事ではECの自動出荷システムを導入する際の注意点を中心に解説していきます。
この記事を参考に自動出荷システムを導入すると、後悔に繋がらないシステム導入を進められます。自動出荷システムを導入予定の方はぜひ最後までご一読ください。
- 慢性的な人手不足を解消したい
- 出荷量が増えて自社対応が難しくなってきた
- 付加価値をつけてリピーターを増やしたい
- 受注から出荷までをスムーズにしたい
現在、上記のようなお困りごとがありましたら、ぜひ私たちへご相談ください。ネットショップの黎明期である1999年にEC物流を開始して以来、 あらゆる課題を解決してきた物流のプロが御社に最適なプランをご提案させていただきます。まずは、サービス資料をご覧ください。
無料ダウンロードEC物流における自動出荷システムとは
急速にインターネットが発達する中、EC物流におけるIT技術が現在も盛んに開発され続けています。
今回の記事のメインテーマである「自動出荷システム」とは、具体的にどのようなものなのでしょうか。
EC物流における自動出荷システムとは、ECで販売されている商品の在庫管理や受注〜販売までの業務を自動化できるシステムです。
インターネットでものが売買されるECでは、在庫管理や出荷・配送のコストはEC事業者にとって大きな負担になります。
この負担に関する課題を解決するために開発されたシステムが「自動出荷システム」なのです。
例えば、アパレルブランドのECを展開している場合、色・サイズなどのパターンによって同じ服でも多くの在庫を抱えることになります。
自社内でECの作業を完結させようとする場合、最新の在庫状況を把握することがむずかくなってしまい出荷ミスにも繋がります。
自動出荷システムを導入することで、これらの課題にすぐさまアプローチできるだけでなく社内のリソース削減にも効果的です。
自動化できる出荷業務の工程
EC物流における自動出荷をうまく活用するには、自動化できる出荷業務の工程を押さえておく必要があります。
出荷業務の内容をよく知らずに自動化を依頼してしまうと、不必要な出費につながってしまうためです。
出荷にかかる費用が増えてしまうと、商品の値段もあげざるを得ません。
社内で完結できる場合もあるため、よく確認しておきましょう。
主な出荷工程は次の4つです。
- ピッキング
- 流通加工
- 梱包
- 出荷
それぞれの内容を見ていきましょう。
ピッキング
出荷工程における「ピッキング」とは、出荷依頼を受けた後に商品を棚から取りに行く業務です。
一見簡単な業務に思えますが、膨大な量の商品がある倉庫から依頼内容に合わせた商品をピンポイントで人の手で探すのはとても大変です。
世界一規模の倉庫をもつAmazonでは、このピッキング作業をAI化してロボットが全て自動で作業しています。
ピッキングは単純な業務のため、どれだけ効率化できるかが出荷スピードや出荷コストにもつながるのです。
流通加工
流通加工とは、商品を出荷できる既定の状態に加工することを指します。
出荷工程の中で確実におこなうことで、全ての商品を同じ状態で消費者のもとに届けられます。
具体的には、商品タグをつけたり、値札をつけたりする業務が挙げられます。
アパレル製品の場合はアイロンがけも流通加工業務の中に含まれています。
ラッピングも業務のうちの一つのため、流通加工は出荷工程の中で欠かせない業務の一つと言えるでしょう。
梱包
出荷予定の商品を段ボールなどに梱包する作業も出荷工程に含まれています。
梱包は商品の状態に直結する業務のため、出荷工程のなかでも重要度が高くなっています。
もしも梱包業務が甘く、消費者の元に届いた商品の状態が悪いと悪評やクレームにつながってしまう恐れがあります。
梱包作業は慎重におこなう必要がありますが、どれだけ効率化できるかも重要になるため難易度の高い業務の一つです。
出荷
梱包が完了すると、出荷準備に入ります。
送り先が間違っていないか・指定された日時に誤りはないかなどをよく確認した上で発送されます。
出荷業務は外部の配送業者との連絡が必要になるため、ここでミスがあるとトラブルにつながります。
多くの工程をかけて準備した商品が消費者に届かなければすべて水の泡です。
出荷も非常に重要な業務の一つだと覚えておきましょう。
ECの出荷を自動化するメリット
前の章でECの出荷にはさまざまな工程があることを解説してきました。
商品の種類・数が多く自動出荷を検討されている方はメリットを知っておくと、無駄なコストをさらに削減できます。
ECの出荷を自動化するメリットは次の2つです。
- 人件費の削減
- 物流スピードの向上
それぞれ確認していきましょう。
人件費の削減
すでにある程度の売り上げをあげているECでは、自動出荷を導入することで出荷業務の部署のコスト・リソースを削減できます。
小規模で始めたECで売り上げが伸び始め、事業の拡大を検討している場合でもシステムの導入により人件費の削減に繋がります。
出荷業務のために新しく従業員を雇うのにはコストもリスクもあるため、出荷業務を全て委託することのできる自動出荷システムは大きなメリットとなるのです。
すでに出荷業務を担当している従業員がいる場合は、システムを導入することでリソースを商品開発などに充てられます。
自動出荷システムは、さまざまな状況のEC事業者にコスト面でのメリットがあることをよく知っておきましょう。
物流スピードの向上
自動出荷システムを導入すると物流スピードが向上し消費者へ商品が届くまでのスピードが速くなります。
出荷業務を全て自社で完結させる場合、リソースが足りていないと出荷までの時間がかかるだけでなく、梱包の状態などの面で物流品質も低下してしまいます。
自動システムがなく、出荷までの業務を人の手でおこなっていると予想外のヒューマンエラーが起こってしまう可能性も。
結果として、消費者の評価が下がってしまい売り上げの低下にもつながってしまうのです。
自動出荷システムを導入すると、物流スピードが向上するだけでなく出荷に関するミスも減るため消費者の満足度向上に直結します。
ECにおける自動出荷システムの注意点
自動出荷システムを導入する場合には、メリットだけでなく注意点もよく把握しておく必要があります。
デメリットや注意点を知らないまま導入してしまうと、思わぬトラブルにつながり大きな損失を生むきっかけになってしまう可能性があるためです。
今回解説する自動出荷システムの注意点は次の通りです。
- キャンセル処理に対応しづらい
- OMS・WMSなどのシステム間エラーの懸念
これらの注意点は多くの自動出荷システムに共通するものなのでよく確認しておきましょう。
キャンセル処理に対応しづらい
自動出荷システムは、受注〜出荷まで全ての業務が自動化されているため突発的なキャンセル処理に対応しづらい特徴があります。
キャンセル依頼が入ると、システムがどこまで進んでいるかを確認してから対応する必要があり、時間がかかる場合もあります。
同様の理由で、キャンセル処理だけでなく注文内容の変更にも対応しづらい点も注意しなければなりません。
注文内容の変更の対応に遅れると、出荷の工程を一からやり直さなければいけないため出荷に遅れが出てしまうこともあるのです。
自動化ならではの注意点についてよく理解しておくようにしましょう。
OMS・WMSなどのシステム間エラーの懸念
自動出荷システムは、OMSとWMSと呼ばれるシステムの間に入ることで実現します。
システム同士の連携の際、エラーが発生することがある点には注意が必要です。
また、初期はうまく動作していても途中でエラーが出てしまうと出荷作業全体が止まってしまう可能性もあります。
もしシステム間のエラーが発生してしまった場合には、迅速にシステム復旧に向けた対策をおこなわなければなりません。
自動出荷システムの導入時にマニュアルを用意するなどして対策しておきましょう。
まとめ
今回は、自動出荷システムの導入についてメリットや注意点などを解説してきました。
EC物流の自動化は消費者の満足度向上のために必須になっていく要素となりつつあります。
導入を検討されている場合は、注意するべき点を押さえておくことで予期せぬトラブルなどのリスクを下げられます。
EC物流における自動出荷システムを上手く利用し、コストの削減・物流品質の向上などのメリットを余すことなく活用していきましょう。
醍醐倉庫では、EC運営における入荷から返品処理までの一連の処理を物流のプロが代行するサービスを展開しています。
繁忙期やイベント日など、出荷が増えるタイミングにも柔軟に対応することも可能です。
今後のECでは、どれだけ業務を効率化できるかに焦点があたっていきます。
物流品質の向上が消費者の満足度の向上につながり、結果として売り上げの向上・ビジネスの拡大につながっていくからです。
Amazonを始めとしたECビジネスは多くの消費者のニーズを満たしてきました。
ネットで検索すれば欲しい商品がすぐに手に入るこの時代に、さらに求められるのは物流品質の向上です。
今や消費者は「何を買うか」より「どこで買うか」に焦点をあて、商品を選ぶ傾向にあります。
これから他のEC事業者と差をつけるためには物流業務の効率化・自動化が求められていきます。
物流のIT化を検討されている方は、お気軽にご相談ください。