長年革財布を使っているとシミや傷以外にも、色落ちしてしまうことがあります。経年変化を楽しむうえで色落ちは魅力が半減してしまいますよね。
そこで本記事では革財布が色落ちしてしまった時の対処法を紹介します。
革財布は日ごろのお手入れが何より大切です。
お手入れについてはこちらの記事もご覧ください
<参考>【メンテナンスガイド】革財布の手入れ方法を大公開
目次
革財布が色落ちする原因
まずは色落ちの原因を見ていきましょう。
革財布が雨などで濡れてしまったことによる色落ち
革製品は水にとっても弱くシミやダメージにつながると言われています。
色落ちも例外ではありません。急な雨で濡れてしまったり水をこぼしてしまったり。慌てて拭いた時にゴシゴシと擦ってしまった日には目も当てられません。
摩擦による色落ち
バッグに入れて持ち歩いた時に摩擦が起きて徐々に色落ちしたり、ズボンのポケットに入れて強い摩擦が起きた時に色落ちすることもあります。
バッグに入れての摩擦は仕方のないことだと思います。ただしズボンのポケットに入れるのは色落ちだけでなく形が崩れたり、革財布にダメージがかかるので極力避けましょう。
乾燥や経年劣化による色落ち
起毛革の場合は乾燥や経年劣化が考えられます。
お手入れをせずに使っていたり、長いこと使っていると色落ちすることがあります。
革財布が色落ちしてしまった場合の対処法
革財布が色落ちしてしまった場合の対処法を「オイルレザー」と「起毛革」の2種類の革タイプに分けて紹介します。
革の種類には「オイルレザー」と「起毛革」のほかに「ヌメ革」があります。ヌメ革はなめしただけの革、つまり着色していないため色落ちすることはありません。
オイルレザーが色落ちした時の対処法
- クロス
- ブラシ
- レザークリーナー
- 補色クリーム
- 防水スプレー
Step1. 革財布全体のほこりを落とす
まずはレザーブラシで革財布に付いたほこりを落としていきます。ファスナーと革の間や縫い目の隙間など細かいところもお忘れなく。
おすすめのレザーブラシ
硬くもなく柔らかすぎることもなく、丁度よい弾力のある馬毛をたっぷり使ったブラシです。
手に馴染みやすい木製のラバーで、側面にはくぼみがあるのでブラッシングしやすいと評判です。ほこり落とし用と仕上げ用、両方に使えますが、用途別で複数持つのがおすすめです。
Step2. レザークリーナーで汚れを落とす
補色クリームをつける前に汚れている部分をレザークリーナーで落としていきましょう。
クリーニングを怠ると補色クリームで汚れに蓋をしてしまう事になるので注意が必要です。
クロスにレザークリーナーを適量取り汚れた部分に伸ばしていきます。この時強く擦らないように注意しましょう。汚れが落ちたら陰干しで乾かします。
おすすめのレザークリーナー
汚れを落とすのはもちろん、皮革を引き締めて皮革本来の風合いを蘇らせます。ムース状なので使いやすく洗いあがりもさっぱりとしてリピーター続出です。
おすすめの革タイプ:スムースレザー、合成皮革、オイルレザー
Step3. 補色する
補色クリームをクロスや指に少量取り薄く塗っていきます。
塗り終わったら完全乾かしクロスで乾拭きしてください。多くつけ過ぎると凹凸ができてしまうので様子を見ながら少しずつ塗っていきましょう。
おすすめの補色クリーム
補色の他に栄養補給や防水・撥水効果もあります。少量で良く伸びベタつかないので初めてでもとても使いやすいのが特徴です。光沢のある仕上がりを好む人におすすめです。
おすすめの革タイプ:スムースレザー、オイルレザー
サフィール製補修クリームの最大の強みは47のカラーバリエーションがあることです。
47色があるので複数の色を混ぜれば、自分の革財布の色に近い補色クリームを作り出すことが可能です。また革の色と補色クリームの色が異なってしまった場合、塗ってすぐであればリームーバーで落としてやり直しもできますよ。
おすすめの革タイプ:スムースレザー、オイルレザー
革財布と補修クリームの色が違った時や凹凸ができてしまった後、すぐにこの「レノマットリムーバー」を使って軽く擦るとやり直しがききます。
補修クリームを使うのに自信がない人にはとても心強いアイテムです。また革表面の油分やワックスを落としてくれるため、カラー補修クリームを塗る前に使うと色の定着や洗浄効果を安定させてくれます。
使用後は油分が抜けた状態になってしまうので、必ずレザークリームで油分と栄養を補給してあげてください。
おすすめの革タイプ:スムースレザー、オイルレザー
レノベイティングカラー補修クリームがいくら47色あると言っても色味の濃淡が合わない場合もあります。
そんな時は粘度や定着性はそのままに色の濃淡だけを変えてくれる「レノベイティングカラー補修チューブ うすめ用クリーム」を使ってみてください。
うすめ用クリームを多く混ぜるほど淡い色になります。
おすすめの革タイプ:スムースレザー、オイルレザー
Step4. 防水スプレーをかける
防水スプレーは30~50cmほど離してかけるとシミになりにくく、きれいに仕上がります。
防水スプレーが乾いたら馬毛ブラシや山羊毛ブラシで余分な油分などを取り除いておしまいです。
おすすめの防水スプレー
スムースやスウェード、ヌバック、ムートンなどなんでも来いのオールマイティ防水スプレーです。粒子の細かいフッ素で撥水を施すので、通気性もそのもままに強力な撥水効果をもたらします。
おすすめの革タイプ:オイルレザー、スウェード、ヌメ革など様々な皮革
おすすめの山羊毛ブラシ
豚毛や馬毛に比べるとやや価格は張ります。上質な山羊毛をふんだんに使っているので仕上げ磨きにもってこいのブラシです。
使いはじめは抜け毛が多く感じるかもしれません。ただブラシを育てていくうちに落ち着いていき、満足のいく仕上がりになります。
起毛革が色落ちした時の対処法
- スウェードブラシまたはクレープブラシ
- 起毛革用補色スプレー
- 革専用消しゴム
- 防水スプレー
Step1. 革財布全体のほこりを落とす
スウェードブラシまたはクレープブラシで革財布全体のほこりを落とします。
縫い目部分や革と革の間など細かい部分もしっかりと落としてください。
おすすめのスウェードブラシ
このスウェードブラシは化繊毛ブラシとゴムブラシがセットになった多機能ブラシ。
ポリプロピレンブラシで隙間や縫い目の細かなところのほこりを落とし、ゴム部分で表面に付いたほこりを落とします。
また価格もワンコインで手に入ります。ちょっと試しに買ってみようかなと思っている人にも手に取りやすく、おすすめです。
おすすめのクレープブラシ
このスウェードブラシは化繊毛ブラシとゴムブラシがセットになった多機能ブラシ。
クレープブラシの中で最も人気の高いのがこのSAPHIRの生ゴムクレープブラシです。
起毛革の毛を起こし、しっかり汚れを落として毛並みを整えます。使い方に慣れてしまえばこの生ゴムブラシ以外使えなくなりますよ。
Step2. 革専用消しゴムで汚れを落とす
ブラシで落ちない汚れがある場合は革専用の消しゴムを使って落としていきます。
この時あまり強くゴシゴシしてしまうと革にダメージを与えてしまうので優しく擦ってくださいね。
おすすめの革専用消しゴム
汚れを落とすゴム面と仕上げに毛並みを整えるスポンジ面のあるクリーナーです。
角の部分で強く擦ると傷つく場合があるので注意してください。
おすすめの革タイプ:起毛皮革
Step3. 補色する
起毛革の補色剤はスプレータイプになるので、革財布から30cmほど離して補色してくださいね。
補色が終わったら完全に乾かします。
おすすめの起毛革用補色剤
スプレータイプの補色剤で18色のカラーバリエーションがあります。
アーモンドオイル配合で補色するだけでなく栄養補給や防水・防汚効果、美しくシルキーな毛並みを保ちます。
革財布の他に革バッグや革靴など様々なアイテムに使えるのもうれしいポイントです。補色する時は新聞紙を敷いて周りに飛び散らないように注意してくださいね。
Step4. ブラシで毛並みを整える
乾いたら馬毛ブラシや豚毛ブラシでブラッシングします。
毛並みを整えるので「Step1」とは違い、毛並みに沿ってブラシを動かしてください。
おすすめの豚毛ブラシ
持ちやすい大きさで、側面の溝が滑り止めになっているのが特徴です。
サイズは「124×38×40mm(毛長21mm)」となっています。
こしが強く毛足の長いブラシなので、レザークリームが伸ばしにくい細かい場所でも簡単にブラッシングできると評判です。
Step5. 防水スプレーをかける
防水効果のある補色剤であれば必要はないかもしれません。ただ長く愛用するために防水スプレーで保護しましょう。
防水スプレーを30~50cmほど離して使用するほか、床に着くと滑る恐れがあるので注意しましょう。
おすすめの起毛革用防水スプレー
靴に使われることが多いこの「アメダス420」は、とても優秀な防水スプレーの1つです。財布やバックなど様々な革製品に使えます。
皮革の柔軟性や通気性を損なうことなく、皮革繊維1本1本にフッ素樹脂をコーティングしてくれます。
おすすめの革タイプ:ツヤ革、起毛革
詳細はこちら
まとめ:手に負えない場合はプロに頼むのがおすすめ
自分では手に負えないという場合は専門のリペア業者に頼みましょう。
相場は5,000円~12,000円、納期は3〜5週間程度です。
店舗によっては起毛革は+2,000円などの追加料金が発生する場合もあります。
汚れの具合や補色の度合いによって料金や納期は変わるので事前に見積もりしてもらうのがおすすめです。
リペア業者での修理は割高になってしまいますが、感動するくらいきれいに仕上がって返ってきます。
色落ちしないように大事に扱っていても、経年劣化で色落ちしてしまうので避けては通れないトラブルの1つです。
自分で補色修理に挑戦するのも楽しいですし、プロに頼んで新品同様にピカピカになったお財布をワクワクしながら使うのも良いですよね。
手間や時間、修理費を考えて自分に合った方法で補色修理をしてみましょう。
<参考>
【東京都内】革財布の持ち込み修理ができるおすすめのリペア業者5選
革財布を宅配修理できるおすすめのリペア業者10選