革財布を長年使っていると塗装が剝がれてしまったり、コバのコーティングが剥がれてしまう事があります。
扱いによってはひび割れが起きてしまうことも。そんなトラブルが起きた時、みなさんはどう対処したら良いか知っていますか。
本記事ではひび割れや剥がれの補修方法を見ていきたいと思います。
目次
ひび割れ・剥がれの原因
メンテナンス不足
動物の皮を加工して作る革は人の肌と同じで定期的にケアやメンテナンスを行なってあげないといけません。
私たちが毎日洗顔をしたりスキンケアをする時のように革財布も汚れ落としや栄養補給、保湿が必要なんです。
通常、1ヵ月~2ヵ月に1回、レザークリーナーやブラッシングなどでケアを行います。
これを怠って長い間放置してしまうと乾燥して気がついた時にはひび割れていたなんてことに。
自分の肌と同じように手間をかけてあげることで経年変化も美しく、長く使えますよ。
擦れや摩擦
乱暴な扱いをした時などの擦れや摩擦によって塗装の剥がれが生じてしまいます。特に角は摩擦が起きやすく剝がれやすいので注意が必要です。
二つ折り財布の折り目部分やコバは、動きがあったり、色々な場所に触れやすい分、剥がれが付きものと言っても過言ではありません。
アルコール除菌の扱いには注意する
アルコール除菌グッズも剥がれの原因になります。
革はアルコールにとても弱いのでアルコールがまだ乾いていない状態で革財布を触ってしまうと、触った部分が剥がれ悲惨な状態に。
湿気や酸化による樹脂コーティングの痛み
エナメル加工がされている革財布は湿気や酸化によって、コーティングが傷み、剥がれてしまう事があります。
特に長期間大事にしまってあるものほど傷みやすく、剥がれる確率が高いと言えます。
ひび割れ・剥がれをケアする時の注意点
ひび割れや剥がれがすすんでいる革財布は一旦使用をやめましょう。
そのまま使用し続けると、ますます状態が悪化します。
ひび割れの場合、細かい革の破片が、口に入れるものなどに混入してしまう事も考えられます。
必ず上述のケアなどを行ってから使用開始するようにしましょう。
ミンクオイルは注意が必要
油分が多い事で知られるミンクオイルですが革財布に使用する場合には注意が必要です。
革財布の場合、ひび割れてしている場合でもミンクオイルは使用しない事をおすすめします。
本来ミンクオイルは、トレッキングシューズや鞄などに使用する事を推奨します。
雨や悪天候の時でも、その油分量の多さでしっかりアイテムを守る為です。
革財布だと、逆に油分量が多すぎる為、ムラや品質が変わってしまう場合があります。
一般的なレザークリームで問題ありません。
まずはひび割れと剥がれの原因は何なのか考えていきましょう。
革の風合いが変化する
ひび割れを専用のアイテムなどを使用し修復すると、革の風合いが使用前と比べて変化してしまいます。
完全には元には戻せませんので、元の品質を維持しするには、やはり定期的なケアが重要だと言えます。
ひび割れの修復方法
ひび割れは表面以外にも財布の断面「コバ」も注意が必要です。ひび割れが浅い状態であれば自分で直すことも可能ですよ。
- クロス(2~3枚)
- 馬毛ブラシ
- 補修クリーム
- レザークリーム
それでは、ひび割れの修復方法をみていきましょう。
Step1.革財布全体の汚れやほこりを落とす
補修する前に革財布に付いた汚れや見えないほこりをクロスやブラシで落とします。
Step2.補修クリームを塗る
革財布と同じ色にするために複数の色を混ぜていきます。
同色でもそれぞれ濃淡が違うので頑張って調合してくださいね。塗るときは極少量を乾燥させながら複数回重ね塗りするとしっかり色づきますよ。
Step3.レザークリームを塗る
補修クリームが乾いたらレザークリームを塗ってあげるとよく馴染み、綺麗に仕上がるのでおすすめです。
レザークリームをクロスに少量とり薄く伸ばしながら革財布全体に塗ってくださいね。レザークリームが乾いたらブラッシングしておしまいです。
M.MOWBRAY レザーマニキュア
蓋の部分に細いハケが付いているので細かいところを補修するのにとっても便利です。
一度塗ると剥がれにくく財布のコバの補修にも最適。12色のカラーバリエーションで自分の革財布と同じ色を作れます。自然な仕上がりになるのもうれしいですね。
ひび割れの状態では使用しないようにしましょう
ひび割れた状態で財布を使用し続けると、状態が悪化し、破れの原因となります。
定期的なメンテナンスで、ひび割れを防ぐのが一番ですが、万が一ひび割れが見つかった場合は、早めに補修するようにしましょう。
剥がれの修復方法
剥がれも程度によっては自分でレザーマニキュアやカラー補修クリーム、カラースプレーを使って補修できますよ。
やり方は簡単なので初心者でも安心です。
- クロス(2~3枚)
- 馬毛ブラシ
- レザーマニキュアまたはカラー補修クリーム
- ペネレイトブラシ
それでは、剥がれの修復方法をみていきましょう。
Step1.革財布全体のほこりや汚れを落とす
定期的なお手入れの時と同じように、ケアや補修をする場合は必ず革財布全体の汚れや見えないほこりをクロスや馬毛ブラシで落とします。
このひと手間を行わないとほこりや汚れの上にレザークリームなどを塗ることになり、綺麗に仕上がりません。
Step2.カラーリングしていく
レザーマニキュアやカラー補修クリームを塗っていきますが、その色が自分の財布の色と合っているか確認します。
1つの色でも濃淡がありますので合わない場合は複数色を混ぜ合わせて色を作っていきます。
色ができたら1適だけ水を含ませてあげると良く伸びて、塗りやすくなり重ね塗りしても違和感なく仕上がります。
塗る時は1度に極少量を何度も重ねて塗っていくのがおすすめ。
レザーマニキュアの刷毛や指、クロスを使ったりペネレイトブラシも細かなところまで届くので便利です。
M.MOWBRAY レザーコンシーラー
全30色のカラーバリエーションでスムースレザーの色褪せや剥がれ、傷などに塗布することで目立たなくさせます。
1つの色を作るのに2色組み合わせても435通り、3色で4,060通りと作れない色はないといっても過言ではありません。
SAPHIR カラー補修クリーム
こちらの補修クリームも47色とカラーバリエーション豊富なので、1色だけで色が決められる人もたくさんいそうですね。
簡単に塗れ、綺麗に仕上がると評判です。
色味は合ったけど、濃淡がうまく合わない場合はSAPHIRのうすめ用クリームがおすすめ。
カラー補修クリームに混ぜ合わせると、粘度や定着性はそのままで混ぜる割合によって濃淡を変えられます。
1909アプリケーションブラシ
弾力性と耐久性に優れた馬毛を使用しています。
ステッチの針穴や細かなしわなど手を汚さずにムラなく隅々までクリームを塗れます。値段も手ごろなのでカラーごとに揃えておくのも便利ですよ。
Step3.乾拭きして完了
補修クリームが完全に乾いたらクロスで乾拭きしておしまいです。
100均や身近なもので補修も可能
恒例のみんな大好き100均の商品でもひび割れをケアする事は可能です。
また応急処置として、自宅にあるものでケアする方法を紹介します。
ブラシ(馬毛)
https://jpbulk.daisonet.com/products/4902993171483?_pos=9&_sid=99e2d68f7&_ss=r
100均で販売されている靴用のブラシですが革財布にも使用可能です。
靴クリーム 黒
https://jpbulk.daisonet.com/products/4902993174804?_pos=5&_sid=21cc1b7db&_ss=r
適度に油分を補充してくれます。
その他にも、クロスや革専用の補修クリームなども100均で手に入れる事が出来ます。
100均で販売されているクリームは、黒、茶色などのポピュラーカラーが多く、その他の色の場合は専門のアイテムを使用してください。
都内でいくつか100均を見て回りましたが、レザーマニュキュアは見つける事が出来ませんでした。
100均のものは、専用のアイテムを手に入れるまでの、あくまで応急処置として使用頂ければと思います。
自宅にあるもので応急処置する
自宅にあるもので応急処置する場合は、使い古したTシャツとニベアクリームがおすすめです。
ニベアクリームを米粒大ぐらいに、Tシャツに取って後は、優しく撫でるようにすりこんでください。
ひび割れは、若干は目立たなくなりますので、専用のケアグッズを使用する前の繋ぎとして利用ください。
ひび割れ・剥がれの予防方法
ひび割れを予防するには、メンテナンスと、ひび割れするような使い方をしないのが重要です。
定期的なメンテナンスを怠らない
毎日使う革財布ですからバッグの中に入れて持ち歩いたり、普段使用するだけでも少しずつ摩擦が起き、気づいたら塗装が剥げていることも。
毎日使う革財布ですから手指の脂によって潤うので簡単に乾燥することはありません。
ただし、毎日のケアや1~2ヵ月に1回行う定期的なメンテナンスを怠ってしまうと乾燥しひび割れに繋がります。
メンテナンス方法をしっかり理解しひび割れないように革を育てていきましょう。
革が傷むような扱いをしない
ズボンの後ろポケットに入れたりぎゅうぎゅうのバッグに詰め込んだことが原因で強い摩擦が起きます。
このように革が傷む扱いを繰り返していると塗装が剥がれ、他にも型崩れも起きてしまうので注意してください。
どうしても後ろポケットに入れなければならない場合は短時間で済ませたり、ポケットに入れたまま、椅子に座らないようにしましょう。
エナメル革財布は専用クリームなどで定期的に磨く
エナメル革財布はコーティングがつやつやしていて高級感が魅力的です。
ただし、意外と繊細で定期的お手入れしないと湿気や酸化によって樹脂コーティングが傷み剥がれてしまいます。
重度の痛みは修復できなくなってしまいます。お手入れ自体はとても簡単なのできちんとケアをして剥がれを防ぎましょう。
エナメル革財布の手入れ方法
合皮もお手入れは必要
水に強い合皮は安価で手に入りやすくアイテムによっては重宝されます。
合皮の場合、本革より耐久度が低く、品質によっては1年未満でボロボロになったりします。
それを防ぐために、革製品で使用するケアクリームで定期的にケアしてください。
ひび割れがしにくい革財布を使用する
メンテナンスが面倒な方や、忘れがちな方は革財布を選ぶ時に、折り目にひびが入りずらいものを選ぶと、折り目のひび割れは少しは、防ぐことが出来ます。
長財布を使用する
二つ折りの革財布に比べて、長財布は折りたたんだ時の圧力が分散されるので折り目のひび割れは、発生しにくいです。
流行りのコンパクトな革財布は構造上、お札を折りたたんで入れるものが多いので、革財布の可動部分に圧力がかかり、どうしてもシワやひび割れが発生しやすくなります。
シュリンクレザーや、型押しのものを使用する
シュリンクレザーは、革を縮ませて、独特のシワやシボ目が特徴です。
特徴として、上品な印象や、傷や、ひび割れも目立ちにくいです。
耐久性のある革財布を使用する
耐久性のある革財布を使用すれば、ひび割れの心配はグッと下がります。
エイ革
数ある革の中でも、ダントツで耐久度の高い革です。
中々馴染みはありませんが、美しい宝石のような模様に隠れファン多し。
耐久性・防汚性・耐水性、全てにおいて高く、メンテナンスもほぼ不要なので扱いも楽です。
ひび割れしやすい革
ひび割れしやすい革とそうでない革があります。
ヌメ革やスムース革は、ひび割れしやすい革です。
反対に耐久性の高い、エキゾチックレザーやシュリンクレザーなどは、びび割れしにくい革です。
また、人気のあるコードバンやブライドルレザーも油が抜けてくると、ひび割れしやすくなります。
しっかり、メンテナンスしてあげましょう。
あくまで、ひび割れのしやすさなので、びび割れしやすい革=品質の低い革という訳ではありません。
高級な革でも、ケアをしっかりしてあげる事が大切です。
プロの修理業者への依頼も検討を
ひび割れも剥がれも自分で直すことは可能ですが、自信がない場合やあまりにもひどい状態になってしまったら修理業者に依頼してみましょう。
実店舗を持っているお店やネット専門のお店もありLINEやメールで気軽に問い合わせることもできます。
修理費用の相場 | エナメル革の場合 | |
---|---|---|
ひび割れ | 3,000円~5,000円 | 12,000円~38,000円 |
剥がれ | 4,000円~6,500円 | 16,000円~30,000円 |
※ハイブランドの場合は特別料金が組まれている店舗もあります。
財布の状態によって価格が変動したり修理を断られてしまう事もありますが、問い合わせてみる価値はありますよ。
革財布のひび割れ・剥がれの補修方法まとめ
革財布のお手入れを忘れたり日常生活でできてしまうひび割れや剥がれ。
なるべくそうならないためにも予防法を確認ししっかりとお手入れをしていきましょう。
もしひび割れや剥がれに気づいたらなるべく早く補修し、自分で補修する自信がなかったり難しそうならプロに頼ると安心です。
複数革財布を持っている人は保管している革財布のお手入れを忘れがちなので注意してくださいね。
本記事を参考に上手に補修してください。