皆さんは「ヌメ革」と聞いてどんな革を思い浮かべますか。
パッと思いつくのは革の色がベージュで触り心地はさらっとしているといったところでしょうか。
本記事はヌメ革がどんな革でそんなふうに出来上がるのか、使い込むうちにどんなふうに経年変化を起こすのか、などを解説しながら、おすすめのヌメ革財布をご紹介します。
目次
ヌメ革とは
ヌメ革の多くは牛革を使っていますが牛革以外にも馬革や山羊革、豚革、羊革、鹿革などを使っているものもあります。
ヌメ革を端的に言うとタンニン鞣しをしただけの革のことです。ではまず「タンニン鞣しとは何ぞや。」と思った方のために鞣しの説明から説明していきましょう。
皮は生ものなのでレザーアイテムを作るためには腐さらないようにしたり、乾燥してカチカチに固まらないように「鞣し」作業を行います。
そうすることで「皮」から「革」になり長く愛用できるようになるのです。
鞣しは
- タンニン鞣し
- クロム鞣し
- コンビネーション鞣し
の3種類ありそれぞれ特徴が異なります。
タンニン鞣し
古代エジプト時代から伝わるもっとも古い鞣し方法。
「植物タンニン鞣し」とも言われ、樹木の「渋(タンニン)」を使って鞣しています。
主にミモザやチェスナット、ケブラチョという木から採取されたタンニンを使用。
タンニン鞣しは、植物の副産物を使っているので、環境を汚染することがなく、人にも優しい方法なのもうれしいですね。
タンニン鞣しには「ピット漕」と呼ばれるプールのような漕に漬け込みますが、タンニンが皮に浸透しにくいのでクロム鞣しに比べて時間がかかり、仕上がりに数か月を要すこともあります。
時間と手間ひまをかけて鞣された革は、革本来のしわや傷痕などが感じられ、豊かな表情が楽しめます。
またタンニン鞣しは「経年変化」を感じられるのが、一番の特徴です。
何年も愛用して、購入当初よりも革が馴染んで色艶も濃くなっていく様は、革好きには愛おしくてたまらない変化ですよね。
クロム鞣し
クロム化合物や塩基性硫酸クロム塩を使った鞣し方法です。
タンニン鞣しに比べて「ドラム(タイコ)製法」というタンクに入れて回して浸透させます。
そのため、やん人鞣しに比べて格段に鞣し時間が短く、大量生産が可能なため手に取りやすい価格で提供できるなど経済的メリットがあります。
また柔軟性が高く、伸縮性、耐水性、耐久性・発色性にも優れているので、流通している靴やバッグ、小物など多岐にわたりクロム鞣しが行われています。
レザーバッグに関しては全体の約8割がクロム鞣しとも言われているんですよ。
ただしクロムは金属製なので、金属アレルギーを持っている人は、まれに反応しアレルギー反応を起こしてしまうことがあるので注意が必要です。
経年変化はあまり見込めないので、革の表情を楽しみたい人にはおすすめできません。
コンビネーション鞣し
タンニン鞣しとドラム鞣しを組み合わせ、それぞれの欠点を補いあった良いとこ取りの鞣し方法で、タンニン鞣しだけクロム鞣しだけとも違う絶妙な表情が楽しめます。
タンニンとクロムの配合比率を変えることによってこしが強く、経年変化が特徴にタンニン鞣し寄りになるか、柔らかく耐久性に優れたクロム鞣し寄りになるかが決まるんです。
この配合を安定させて納得する革にすることは簡単でなく、とても重要な作業でもあるんですよ。
タンニン鞣しとクロム鞣し、コンビネーション鞣しの違いは理解いただけたでしょうか。
この「タンニン鞣し」を施しただけで、型押しなどの表面加工や染色などを行わない革をヌメ革と言います。
最近ではタンニン鞣しをしていればヌメ革であるといった定義を掲げて販売しているものも多いので、どの定義が本当なのかわかりにくくなっているのが現状です。
本ヌメ・ヌメ・オイルヌメの違い
ヌメ革は鞣し方の違いやタンニンに混ぜるものによって名称や特徴が異なります。この違いを知っておくと自分の求めているヌメ革を見つけやすくなりますよ。
本ヌメ
タンニンを使いピット槽で鞣されたものを指します。
ピット槽に入れてタンニンをじっくりと染み込ませていくため漬込み時間やコストがかかります。
その代わりに素材を傷つけることなく、きれいな経年変化を楽しむことができるんですよ。
ヌメ
ドラムを使ってタンニン鞣しを施したヌメ革が「ヌメ」と言われています。
グルグルと回して革を叩きつけながらタンニンを染み込ませていくので、約2日ほどで鞣すことができ、本ヌメに比べて完成までの時間は雲泥の差があります。
ドラム鞣しによって革に負担がかかり、繊維が解れてしまうので本ヌメよりも丈夫さが劣ります。
オイルヌメ
オイルヌメはドラム(タイコ)に入れてタンニン鞣しを施す際に多量のオイルを含ませて作られます。
オイルがたくさん含まれているので、しっとりとしなやかな触り心地が特徴です。
使い込むうちに浸透させたオイルが染み出して奥深い色艶が現れ、ヌメ革の中でも早く経年変化を感じられます。
傷が付きやすいと言われるヌメ革ですが、オイルを多く含んでいることで少しの傷なら使っているうちに気にならなくなりますよ。
また他のヌメ革に比べてひび割れしにくいのも特徴です。
ヌメ革の特徴
次にヌメ革の特徴を見ていきましょう。
多くの革が鞣し後に加工を行なっている中で、唯一そのままのヌメ革にはどんなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
経年変化が楽しめる
革好きさんは経年変化してなんぼという人が多くいます。
長く愛用することによって革が育ち徐々に柔らかな手触りになります。また手指の脂や日に当たることによって、マットな質感から艶が出て色も深みが増していくのも特徴です。
このようにヌメ革は革の素材そのものを肌で感じ色艶の変化を目で見ることができ、革を思い切り楽しめるのが最大のメリット。
使い始めと数年使ったものでは同じものには見えないくらい変化します。ヌメ革の特徴を知らずに購入した人が色の変化に驚いてクレームが入ったこともあったそうです。
経年変化を思い切り楽しみたい人は是非ヌメ革を使ってみてくださいね。
コシが強く丈夫
ヌメ革は繊維が詰まっているのでとてもコシが強く丈夫。
使い始めこそ硬くて使いづらいと思う人もいるかもしれませんが、革が育ってくると繊維がほぐれて柔らかく手にしっとり馴染んできますよ。
定期的にお手入れをしてあげれば、何十年と愛用することも可能です。
個性が光る
私たちの肌が1人ひとり違うように、動物の皮も個体ごとに異なります。
ヌメ革は鞣した後の加工をしないので、革1枚1枚の表情がしっかりと確認できます。
トラ(傷痕)や血筋、シボなど、同じものは2つとない自分だけの革になります。
また経年変化も使う人によって、変化の度合いや変化の風合いも異なるので更に個性が光りますよ。
上質で高級感がある
皆さんがヌメ革と聞いて思い浮かぶのは、スベスベとしたまっさらな革質ではないでしょうか。
ヌメ革は表面加工を行わないので見た目の美しいキメが細かく、上質なものが選ばれます。
キメが粗いものや質の悪いものは革そのものの表情が見えにくい、顔料仕上げなどの加工を施すアイテムになります。
傷が付きやすい
ヌメ革は表面加工を施していないので傷が付きやすいのが欠点。
他の革も傷が付きやすいものもありますが、ヌメ革はオイル含量も少ないのでちょっとの傷でも完全に修復できずに跡が残る場合も。
爪を引っかけてまったり地面に落としてしまうなど簡単に傷が付いてしまうので、取り扱いには要注意です。
水に弱い
水に弱いのも表面加工がされていない為。水がかかるとぐんぐん吸い込んでしまいます。
少しの水濡れならしっかりと拭き取り風通しの良いところで、陰干しをすれば気にならない状態に戻せる場合もありますが、
大量の水濡れや水濡れを放置するとシミや変形してしまう恐れがあります。
もし濡れてしまった場合はすぐに柔らかい布でトントンと押し拭きしてください。
慌ててゴシゴシしてしまうと表面が毛羽立ってしまうので気を付けてくださいね。
また湿気が多い場所での保管はカビが繁殖する原因になるので、風通しの良い場所で保管しましょう。
日焼けしやすい
ヌメ革は購入してすぐに一定期間わざと日光浴をさせます。
詳しいことはこの後の「お手入れ方法」でご説明しますが、ヌメ革は日焼けをしやすく変色することもしばしば。
過度な日焼けをすると革が弱くなり劣化してしまいます。
置いてあった場所が悪く、一部だけ日焼けしてしまったという人や日焼けによる色むらが起きてしまったという人もいるので、意図的な日焼け(日光浴)以外は気を付けましょう。
おすすめのヌメ革財布ブランド3選
ヌメ革で作られたお財布は多数ありますが、その中でもおすすめのヌメ革財布をご紹介していきます。
土屋鞄製造所
1965年にランドセル専門メーカーとして誕生した土屋鞄製造所は、高品質な素材と1つ1つハンドメイドで作られた丁寧な仕上がりが魅力的。
飽きの来ないデザインでランドセルメーカーならではの丈夫さも人気の理由の1つです。
土屋鞄製造所はコードバンやブライドルレザーなど素材を豊富に取り揃えていて、ヌメ革は最もシンプルでナチュラルなヌメ革の「プレーンヌメレザー」や柔軟でソフトな手触りが特徴の「オイルヌメレザー」を使用。
厳選された高品質なヌメ革の経年変化も思い切り楽しんでくださいね。
おすすめの財布:プレーンヌメ ファスナーロングウォレット
https://tsuchiya-kaban.jp/collections/plainnume/products/pn-zip-long-wallet
白に近いベージュ色のヌメ革はとても上品で見ているだけでうっとりするほど。
キメの細かいプレーンヌメレザーを贅沢に一枚革で仕立てています。
一辺が縫われていないL字ファスナー財布なので大きく開けられ中身が見やすい設計になっています。
また薄型なのに札入れが2か所とカードポケットが6個、小銭入れもしっかりついていていますよ。
小銭入れにはファスナーがなく使い勝手も抜群。裏地が付いていないので革の床面の経年変化もみられる珍しいタイプです。
素材 | 牛革 |
---|---|
サイズ | 19.5cm×9.7cm×2.3cm |
仕様 | 札入れ×2 カード入れ×6 小銭入れ×1 |
カラー | 1色(ナチュラル) |
土屋鞄の財布のおすすめランキング
IL BISONTE(イルビゾンテ)
バッファローと星マークのロゴがキャッチーなイルビゾンテは1970年にイタリアで誕生しました。
創設者のワニーは革が育ち使い込むほどに味が出るヌメ革が大好き。
「雨が降ればどちらも濡れ、晴れればどちらも日にあたり、あなたが日焼けすれば、バッグも日に焼けます。あなたのイルビゾンテはあなたの一部になるのです。」とワニーが言うように、新品のベージュからキャメル、ブラウン、ダークブラウンに変わっていく色味や深みの増した光沢、張りのある手触りから柔らかくくったりとした手触りへと表情も豊かになります。
イルビゾンテはフォーマルというよりはカジュアル寄りの素材とデザインなので普段使いにピッタリ。ハンドメイドの暖かさとこだわり、情熱が詰まっているので、ガシガシ使って革のおもしろみや経年変化を思い切り楽しむのもおすすめです。
おすすめの財布:ウォレット
https://www.ilbisonte.jp/shop/onlinestore/item/view/shop_product_id/204/color_id/10
スタンダードな二つ折り財布の札入れに仕切りが付いているので、紙幣の整理整頓やレシートや領収証などを大切に保管できます。
カード入れが3つとフリーポケット2つ、小銭入れと必要最低限の物が入るのでキャッシュレス化にも対応可能。
カードポケットの切りっぱなしのコバや床面の風合いを楽しめるのも魅力的です。スタンダードだからこそ使いやすく持ち歩きやすいと安定の人気を誇っています。
素材 | 牛革 |
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サイズ | 10cm×9cm×2.5cm |
仕様 | 札入れ×2 カード入れ×3 ポケット×2 小銭入れ×1 |
カラー | 1色(ヌメ) |
BREE(ブリー)
ブリーは1970年にドイツで生まれたレザーブランドです。
レザーバッグや革財布、革小物以外にオリジナルのレザーオイルなども取り扱っています。
スタンダードなデザインのアイテムもありますが、中にはデザイン性が高くちょっと癖があるとてもおしゃれなものも多数ありますよ。
ブリーは品質の高いヌメ革を使ったアイテムがとても多く、丈夫でへたりにくいと評判です。きちんとお手入れすれば長く愛用でき、またとないきれいな経年変化を楽しめます。
お財布の外側も内側もヌメ革という贅沢仕様で、よく手が触れる箇所とあまり手の届かない箇所での経年変化の違いなども感じられそうですね。
ブリーの店舗は銀座に1店舗と名古屋に2店舗、京都に1店舗あります。あまり多くはありませんが、実際に手に取って見てみたいという人は、ぜひ足を運んでみてくださいね。
おすすめの財布:Obra SLG 165,nature
https://www.bree.jp/shop/398750165-obra-slg-165-nature-28075#attr=
ブリーの中でも人気のデザイン「obra」シリーズ。
職人たちの高度な技術を存分に生かして編み込んだブレイドパターンが魅力的な長財布です。まっさらな面と凹凸のある面が混在しているので、使い込んだらどんなふうに経年変化していくのでしょうか。とても楽しみですね。
牛が持っていた傷やシワ、毛穴など革そのものの表情を感じられるのも革財布のおもしろみの1つです。
内装はカードポケット8個とファスナー付き小銭入れ、フリーポケット3個、札入れとスタンダードな設計ですが、フラップ部分にメッシュ式のカードポケットが付いているので交通系ICカードなどを入れておくと便利です。
カードデータとの盗難を予防するRFIDスキミング防止機能が付いているので、クレジットカードやパスポートなどを入れておいても安心です。
素材 | 牛革 |
---|---|
サイズ | 18.5cm×10cm×1cm |
仕様 | 札入れ×1 カード入れ×9 ポケット×3 小銭入れ×1 |
カラー | 1色(ベージュ) |
ヌメ革のお手入れ方法
経年変化が最大の特徴と言っても過言ではないヌメ革。
きれいに経年変化させるにはただ使っていれば良いという訳ではありません。
表面加工がされていない分なんとなくお手入れすると汚れやシミが目立って「こんなはずじゃなかった」となってしまいます。
お手入れ方法をしっかり習得して理想の経年変化を楽しみましょう。
普段のお手入れは使った後に柔らかい布などで乾拭きしてあげるだけでOK。
しっかりと栄養を与えてあげるお手入れは、使いはじめで半年ほど経ち、表面が乾燥してカサついてきたなと感じた頃に行いましょう。
使い始め直後のお手入れ方法
購入してすぐのヌメ革は革の内部からオイルも染み出ていないまっさらな状態。
傷はもちろん水にも弱いので、少しでも濡れようものならシミができてしまいます。
革を保護してくれるオイルが内部から出てくるのには時間もかかるので、トラブルを未然に防ぐために使う前に「日光浴」をしてあげましょう。
日焼けを心配する人もいるかもしれませんがこれをするのとしないとでは、シミや傷ができにくくなるうえ、後の経年変化にも影響が出てきますので是非日光浴させてあげてくださいね。
- 柔らかい布
- ブラシ
Step1. 革表面の埃や汚れを落とす
毛先の柔らかいブラシを使って表面についた汚れやほこりを取ります。
ブラシは硬すぎず柔らかすぎない馬毛ブラシがおすすめで、お手入れ初心者の人でも使いやすいですよ。
新品のお財布なので汚れなどはほとんど付いていないと思いますが、ほこりや汚れが原因で色ムラができることもあるので、よりきれいな経年変化を期待して丁寧に行っていきましょう。
Step2. 日光浴をさせる
日光浴と言っても日向に置いておくわけではありません。
日向に置いてしまうと短時間で日焼けが進み革が痛み乾燥の原因となります。ヌメ革の日光浴は日が差し込む風通しの良い日陰で1か月ほど日光浴をさせましょう。
日光浴をさせていると徐々に色が変わっていきますが、1か月経たずとも自分の好きな色に変化したら中断しても構いません。
ただし日光浴のさせすぎは乾燥の原因になるので注意してくださいね。
Step3. 柔らかい布で乾拭きする
日光浴が終わったら柔らかい布やクロスで優しく乾拭きしておしまいです。
直射日光を当てるわけではないので急激に乾燥するわけではありませんが、どうしても乾燥してしまわないか心配な方は日光浴前か日光浴後にレザークリームを塗ると安心ですよ。
レザークリームの塗り方は「定期的なお手入れ方法」でご紹介します。
定期的なお手入れ方法
ヌメ革を使い始めてカサついてきたなと感じたらレザークリームを塗って水分補給と栄養補給を行ないましょう。感覚としては1か月~2か月に1回程度が目安です。
メンテナンスしすぎても放置しすぎても良くないので感触での判断になりますが、きれいに経年変化をし始めるとさらに愛着が沸き感覚が研ぎ澄まされますよ。
- 柔らかい布(2〜3枚)
- ブラシ
- レザーオイル
- 防水スプレー
Step1. お財布表面の埃や汚れを落とす
まずはお財布の表面に付いた見えない埃や汚れを柔らかい布や毛先の柔らかいブラシで落としていきます。
この時、ステッチやファスナーの隙間に入り込んだ埃などもしっかり落としましょう。
埃の上からレザークリームを塗ってしまうとその部分が黒ずんでしまうこともあるので、隅々まで忘れずにブラッシングしてくださいね。
Step2. レザークリームを塗る
柔らかい布に米粒ほどのレザークリームを取り薄く伸ばしていきます。
円を描くように全体に塗っていくときれいに仕上がりますよ。
レザークリームを塗りすぎるとシミの原因になるので量には気を付けてくださいね。
https://www.collonil.jp/product/1909_supreme_creme_deluxe
このレザークリームは革を痛める有機溶剤は一切使っておらず、シダーウッドやラノリンなどの天然オイルが配合されています。
革に負担をかけずにお手入れできるのはうれしいですよね。またフッ素化炭素樹脂が入っているので撥水効果が見込め、防水スプレーをしなくても良いのでお手軽です。
カラーも6色+カラーレスの展開でヌメ革以外のレザーアイテムにも大活躍してくれます。
そして伸びが良いテクスチャーなので少量でも広範囲に広げられ、お手入れ初心者でも簡単に使うことができます。
ただし艶感のある仕上がりになるのでマットな質感の素材にはおすすめできません。
Step3. 乾かす
レザークリームが塗り終わったら風通しの良い日陰で乾かします。レザークリームにもよりますが、大体1時間ほどで乾きます。
Step4. 残ったレザークリームを拭き取る
乾いたらきれいな柔らかい布や仕上げ用のブラシで表面に残ったレザークリームを拭き取っていきます。
仕上げブラシには毛先が細く柔らかい山羊毛ブラシがおすすめ。細かなところにも手が届きクリームの拭き忘れがありません。
Step5. 防水スプレーをかける
Step4.まででおしまいにしてもかまわないのですが、防水スプレーをかけておくと更に耐水性が上がり汚れも付きにくくなります。
防水スプレーは「シリコンタイプ」と「フッ素タイプ」に分かれますが、革の繊維をコーティングする「フッ素タイプ」を選びましょう。粒子が細かいので通気性も良くシミにもなりにくいのでおすすめです。
シリコンタイプは革の表面をコーティングしてしまうので通気性が悪くなり革の劣化につながります。
防水スプレーは必ず20cmほど離してまんべんなく吹きかけてください。近すぎるとスプレーがかかりすぎてシミになるのでご注意を。
全体に防水スプレーをかけ終わったら風通しの良い日陰でしっかり乾かしておしまいです。防水スプレーをかける際は必ず喚起をしながら行なってくださいね。
https://www.collonil.jp/product/water_stop
靴や革小物、ウェアなど幅広いレザーアイテムに使える防水スプレーです。一度のスプレーで計2回散布しますが範囲が広いのでムラもできにくく、お財布であればすぐに終わります。
10分ほどあれば乾くのも人気の理由のひとつ。
サイズも100mlと200ml、400mlの3サイズあるので試しに使いたい人にもたくさん使い人にもおすすめです。
傷や水濡れなどのトラブル対処法
傷や水濡れによってシミができやすいヌメ革。長く愛用するということはこういったトラブルは避けて通れません。
実際に傷が付いたり水に濡らしてしまった場合に慌てず、すぐに対処できるようにしておきたいですよね。
傷が付いてしまったら
毎日使うお財布ですから何かに引っかけてしまったり、爪で引っ搔いてしまったりと傷が付いてしまうシーンは数知れず。
経年変化をしていく中で目立たなくなることもありますが、もしも大きめの傷が付いてしまったらレザークリームを塗りこんで対処していきます。
基本的に「定期的なお手入れ方法」と同じステップを踏んでいきます。お財布全体にレザークリームを塗り、傷が付いてしまったところはより入念にクリームを塗りこんでいきます。
この時レザークリームを多く塗りすぎるとかえってシミの原因になってしまうので注意してくださいね。
レザークリームを馴染ませたらしっかりと乾かし、仕上げにブラッシングを行ないます。
大切なお財布ですからあまり傷を付けたくないと思いがちですが、あまり気にせず傷も一つの思い出として大切にしていくのも良いかもしれませんね。
水に濡れてしまったら
表面加工をしていないヌメ革は水が天敵。手持ちでお財布を持ち歩いたがために雨に濡れたり、コップの水滴が付いてしまったりと危険な場面は多数あります。
もし濡れたままにしてしまうとカビやシミの原因になるので気を付けましょう。もしも水に濡れてしまった場合はすぐにタオルなどで拭き取ります。
この時慌ててゴシゴシとこすってしまうと、革の表面が傷付いて修復不可能になってしまうのでトントンと叩くようにしてください。
そして拭き取った後は乾燥が進むので、なるべく早くレザークリームを塗って保湿してあげるのがベストです。雨の日の前日に防水スプレーをかけておくのもおすすめ。
おすすめのヌメ革財布ブランド3選まとめ
ヌメ革は「革の中の革」と言われているように一番経年変化が楽しめる素材です。
ヌメ革の中でも鞣し方の違いや、混ぜ込むオイルの量によって触り心地が異なることもわかりましたね。
また水濡れに弱いことや傷が付きやすいことが弱点なので取り扱いには十分注意しましょう。
ただ、使っていくうちにできてしまう水濡れのシミや傷もヌメ革ならではの特徴ですし、その人の思い出の1つとして刻んでいくのも良いかもしれませんね。
ヌメ革のお手入れは難しいようで意外と簡単なので定期的にお手入れをして、きれいに経年変化させた自分だけの革財布を楽しんでくださいね。