日本のレザーブランドの中でも、革財布を探す際に高確率でおすすめブランドとして名前が挙がるのがソメスサドルです。
馬具メーカーとして培われた確かな技術を活かし、幅広いレザーグッズを展開しています。
本記事では、ソメスサドルとはどんなブランドなのかをはじめ、おすすめの革財布や比較されるブランドなどを詳しく解説していきます。
目次
ソメスサドルとは
ソメスサドルは、1964年に北海道で新しい企業誘致の一環として誕生しました。
明治以来、北海道の開拓を支えてきた馬とともに発展してきた馬具づくりの技術を守り、受け継ぎながら、世界のマーケットで通用する馬具をつくろうと職人たちが一致団結。
製品ひとつひとつをハンドメイドで仕上げ、製造に関わるすべての工程を一貫して自社で行っています。
また、平成および令和の天皇「即位の礼」で使用された馬車具一式の納入や、2008年の北海道洞爺湖サミットにおいて各国首脳へ贈られた記念品の製造なども手がけました。
これらを通じて、ソメスサドルのクラフツマンシップの高さを世界に示しています。
ソメスサドルの革財布の特徴と選び方
ソメスサドルの革財布は、控えめなデザインの中に上質さが漂い、機能性と耐久性を兼ね備えています。
長財布や折り財布、コンパクト財布など形もさまざまですが、特に財布の開閉部分は使い勝手に大きく影響するため、購入前にしっかり確認しておきたいポイントです。
ラウンドファスナータイプ
ラウンドファスナータイプは、財布本体をコの字型に囲むファスナーが特徴です。
ファスナーテープの厚みがある分、収納力に優れており、カードを多く持ち歩きたい方におすすめです。
中身のホールド力も高く、収納量が増えても厚みを抑えられるため、バッグの中で中身がばらける心配もありません。
L字ファスナータイプは、2辺をファスナーで留める仕様で、収納力を保ちながらもラウンドファスナーよりスリムに持ち歩けます。
洗練された印象の長財布が好きで、収納力は確保しつつもすっきりとしたフォルムを求める方におすすめです。
スナップボタンタイプは、中身が飛び出さないようしっかり留めておけるうえ、スナップを外すだけで中身にすぐアクセスできるのが特徴です。
コンパクトなサイズのものが多く、小さなバッグやポケットにも収納しやすいのもうれしいポイントです。
フラップタイプ
フラップタイプ(かぶせ蓋)は、エレガントな印象があり、ラウンドファスナータイプとスナップボタンタイプの良いところを兼ね備えたデザインです。
フラップの裏側や本体の背面にフリーポケットが付いた仕様など、デザインのバリエーションも豊富で選ぶ楽しみがあります。
また、ソメスサドルのフラップは鞍(くら)の形をモチーフにしており、絶妙に女性心をくすぐるデザインも魅力です。
ソメスサドルのレザーとタンナーのこだわり
ソメスサドルの革財布には、カーフレザーをはじめ、ブライドルレザーやコードバンが使用されています。
カーフレザーはフランスの名門タンナー「HAAS社」、ブライドルレザーは“伝説のタンナー”とも称される「ベイカー社」、そして“革のダイヤモンド”とも呼ばれるコードバンは、日本を代表するコードバンタンナー「新喜皮革」のものを採用。
このように、世界的にも名高いタンナーの革を使用することで、シンプルなデザインと美しく調和し、素材そのものの上質さを存分に味わうことができます。
また、使い込むほどに色艶が深まり、経年変化を楽しめるのも魅力のひとつ。
特にカーフレザーはスムース加工や型押しなど、仕上げによってまったく異なる表情を見せるため、革好きにはたまらない魅力が詰まっています。
ソメスサドルのカラーバリエーション
ソメスサドルのカラーバリエーションは、ブラックやブラウンなどのベーシックカラーを中心に、ワインやキャメルといった大人の女性に似合うカラー、さらにイエローやピンク、ブルーなどのアクセントカラーまで幅広く展開されています。
期間限定カラーも登場するなど、カラーバリエーションの豊かさも魅力のひとつです。
また、外側と内側で色を切り替えたバイカラーデザインもあり、さりげないおしゃれを楽しめます。
ソメスサドルのおすすめ革財布5選
ソメスサドルの財布は、シーンを選ばず愛用できるデザインが豊富にそろっています。ここでは、同じ形でも開閉の仕様や素材によって異なる雰囲気を楽しめる、おすすめの革財布をご紹介します。
ピルエット ラウンド長財布 PT-71
ピルエットシリーズは、「優雅で美しく、使う人の手元で輝くように」という願いを込めて誕生しました。
透明感のあるきめ細やかな型押しシボ革と鮮やかな発色が、上品さと大人のこなれ感を演出します。
正面とファスナーの引き手には、幸運をもたらすといわれるゴールドの蹄鉄モチーフをあしらい、華やかなアクセントを添えています。
内装は、長財布ならではの高い収納力を備え、カードポケットやフリーポケットを複数搭載。整理整頓がしやすい設計もうれしいポイントです。
また、蛇腹が大きく開くため視認性や取り出しやすさにも優れており、支払いもスマートに行えます。
| 素材 | 牛革 |
|---|---|
| サイズ | 19.5cm×9.5cm×2.5cm |
| 仕様 | 札入れ×3 カードポケット×12 ポケット×2 小銭入れ×1 |
| カラー | 3色(イエロー/ブルー/アイボリー) |
サドラリー 長財布 SA-11
具の中でも、その優美な曲線が魅力の鞍(くら)。
この「サドラリー」シリーズは、「鞍=サドル」の形状をモチーフにした二重フラップのデザインが特徴です。
フラップ部分には、スムースレザーとヌバックの2種類の革を採用。
スムースレザーは手触りがなめらかで、粒子の細かい顔料による染色が奥行きのある表情を生み出しています。
一方、ヌバックは時間をかけて丁寧に毛羽立たせ、繊細に仕上げているため、上質さがダイレクトに伝わります。
ゴールドメタルのあぶみチャームも、デザインに華やかさを添えるアクセントとなっています。
背面には大きめのフリーポケットを備え、実用性も抜群。スムースレザーのフラップを開くとファスナー付き小銭入れと札入れにアクセスでき、ヌバックのフラップにはカードポケット、札入れ、フリーポケットを搭載しています。
ライフスタイルや使い方に合わせて自在に使い分けられる設計も、うれしいポイントです。
| 素材 | 牛革 |
|---|---|
| サイズ | 19.5cm×9.4cm×2cm |
| 仕様 | 札入れ×2 カードポケット×6 ポケット×5 小銭入れ×1 |
| カラー | 2色(ダークブラウン/グレージュ) |
ヴァーレンドルフ 二つ折り財布 WF-27
ヴァーレンドルフシリーズは、イギリスの老舗タンナー「ベイカー社」による上質で強度の高いブライドルレザーを厳選し、ソメスサドル独自の基準をクリアしたものだけを使用しています。
1年以上の時間をかけてじっくりと鞣すことで、オイルが革の内部までしっかりと浸透し、しなやかさと優れた強度・耐久性を兼ね備えています。
さらに、革本来の自然な風合いを楽しめるのも大きな魅力のひとつです。
使い込むうちに、ブライドルレザー特有のブルーム(白い粉)が落ちて、美しい艶が生まれます。
ブルームが気になる場合は、ブラッシングや柔らかな布でやさしく乾拭きしてください。
ファスナーの引き手には、ヴィンテージの風合いが魅力のゴールドメタル製・鞍(くら)モチーフをあしらい、上品な可愛らしさを添えています。
内装は、そのコンパクトな見た目からは想像できないほど収納力が高く、ボックス型の小銭入れは視認性にも優れており、使い勝手は抜群です。
また、中身が増えてもラウンドファスナーがしっかりとホールドしてくれるため、安心して使用できます。
| 素材 | 牛革 |
|---|---|
| サイズ | 12cm×10cm×3cm |
| 仕様 | 札入れ×1 カードポケット×6 ポケット×5 小銭入れ×1 |
| カラー | 3色(ブラウン/キャメル/ブラック) |
ファセット 二つ折り財布 FC-02
ファセットシリーズは、世界有数のコードバンタンナー「新喜皮革」で仕立てられた、オイルをたっぷりと含んだオイルコードバンを採用しています。
フラップ部分にはスムースレザーを、本体部分には表面に切子面加工を施したレザーを組み合わせ、ほどよいメリハリと大人の上品な佇まいを演出。
切子面は、コードバンならではの自然な艶と光の反射が織りなす宝石のような輝きを放ち、ほかのレザーにはない特別な表情を楽しめます。
また、切子面は傷や汚れにも強く、長く美しい状態を保てるのも魅力のひとつです。
内装には牛革を使用し、ブラックには落ち着いたブルー、ブラウンには統一感のある同系色を採用。
仕切り付きの札入れやマチ付きのフリーポケット、視認性の高い小銭入れなど、収納力にも優れた実用性の高い逸品です。
| 素材 | 馬革/牛革 |
|---|---|
| サイズ | 13cm×9.5cm×3cm |
| 仕様 | 札入れ×2 カードポケット×8 ポケット×3 小銭入れ×1 |
| カラー | 2色(ブラック/ブラウン) |
エリテ ミニウォレット HE-05
クラシックな雰囲気をまとったエリテシリーズは、バッグ製造時に出る端革を有効活用したサステナブルなアイテムです。
アンティーク調に仕上げられた素材は、牛革に比べて流通量が少ないホースレザーを使用。
薄くて軽量でありながら丈夫さを備えており、使い込むほどに色艶が深まり、経年変化を存分に楽しむことができます。
コンパクトなサイズながら、背面のフリーポケットや8つのカードポケットなど、必要最低限のものをしっかり収納可能。
キャッシュレス派の方はもちろん、バッグに合わせて財布を使い分けたい方にもおすすめです。
小銭入れにはあえて留め具を付けていないため、厚みが出にくく、中身が増えてもL字ファスナーがしっかりとホールドし、こぼれ落ちを防ぎます。紙幣は2つ折りにして収納でき、見た目以上の機能性を発揮します。
| 素材 | 馬革 |
|---|---|
| サイズ | 10.5cm×9cm×2cm |
| 仕様 | カードポケット×8 ポケット×1 小銭入れ×1 |
| カラー | 2色(バーガンディ/ブラック) |
ソメスサドルと比較されるブランドと人気アイテム
ソメスサドルの財布を見ていて、「ほかにも似たようなブランドはあるのかな」と気になる方も多いのではないでしょうか。ここでは、ソメスサドルとあわせて比較・検討されるブランドをご紹介します。
万双 厚コバ二つ折り財布
1995年に東京・上野で誕生した万双は、「世界最高峰の品質」でありながら「常識的な価格」で、独創的でありつつも普遍的な粋を語れる革製品メーカーであり続けることをモットーに、丁寧なものづくりを行っています。
優れた耐久性と流行に左右されない落ち着いたデザイン、そして丁寧な仕立てが特徴で、ソメスサドルと共通する点も多く見られます。
比較のポイントとして、ソメスサドルが上品で穏やかな佇まいを持つのに対し、万双はビジネスシーンに最適な実用性重視の設計が多いのが特徴です。
また、男性向けのイメージを持たれがちなブランドですが、女性が持ってもエレガントな雰囲気が漂うため、プレゼントとしても人気があります。
キャッシュレス化に伴い新たに登場した「厚コバシリーズ」は、「万双らしいコンパクトな革小物とは何か」をテーマに、クラシックな意匠を取り入れつつ、小さなサイズからは想像できないほどの収納力を実現しています。
あおりポケットを採用した札入れは出し入れがしやすく、折りマチ付きの小銭入れは視認性に優れています。
3つのカードポケットに加え、小銭入れの裏にもカードポケットを設け、最大5枚のカードを収納可能です。
採用されているのは、万双独自の最高品質革「双鞣和地(そうなめしわじ)」。
フルタンニン二重鞣しという、通常の数倍の工程と手間をかけた製法により、驚くほどしなやかでありながら堅牢さを兼ね備えています。
また、約10mmの厚みを持つ“厚コバ”は、ダレスバッグ以上の存在感を誇ります。
溶かした蜜蝋を何度も染み込ませ、丁寧に磨き上げることで、シャープで高級感のある輪郭が生まれます。
カラーは、厚コバシリーズのために新たに開発された透明感のある6色。深みのある美しい色合いが、さらに高級感を引き立てています。
| 素材 | 牛革 |
|---|---|
| サイズ | 10cm×9cm×2.4cm |
| 仕様 | 札入れ×1 カードポケット×4(最大8枚収納可能) 小銭入れ×1 |
| カラー | 6色(ブラック/ダークブラウン/キャメル/ネイビー/ダークグリーン/ボルドー) |
HERZ(ヘルツ) アコーディオンウォレット
1973年に鞄屋として誕生したヘルツは、創業から50年以上にわたり、ショルダーバッグやリュック、ボストンバッグなど、15種類以上の鞄を手掛けてきました。
鞄だけでなく、革財布や革小物、ポーチ、スマートフォンケースなど、バラエティ豊かなアイテムを展開しているのも魅力です。
革の裁断から縫製までを一貫して自社工房で行い、使用する革もオリジナルレザーを採用。ソメスサドルと同じく、職人による手仕事を大切にし、長く愛用できる耐久性や経年変化を楽しめるのが特徴です。
ソメスサドルが上品でフォーマル寄りのデザインであるのに対し、ヘルツはカジュアルで親しみやすい印象が魅力。高級感は控えめですが、温もりのある風合いが楽しめます。
一方で、よりエレガントで洗練されたデザインを求める方には、ソメスサドルの革財布がおすすめです。
ヘルツのデザイナーは、アイテムをつくる職人たち自身です。「こんなアイテムがあったらいいな」「こんなふうに使えたら便利だな」という想いを形にし、何度も試作を重ねて商品が誕生します。
このアコーディオンウォレットも、ヘルツの鞄によく使われる差し金具を見た職人が「この金具を主役にした財布を作ったら素敵なのでは?」という発想から生まれたロングセラー商品です。
アコーディオンのように蛇腹が広がる内装は視認性に優れ、収納力も抜群。その反面、やや厚みが出るため、ポケットよりもバッグに入れて使うのがおすすめです。
札入れは3層に分かれており、整理整頓がしやすく、支払いもスマートに行えます。
| 素材 | 牛革 |
|---|---|
| サイズ | 19cm×9.5cm×3.5cm |
| 仕様 | 札入れ×3 カードポケット×8 小銭入れ×1 |
| カラー | 5色(キャメル/チョコ/ブラック/グリーン/レッド) |
IL BISONTE(イルビゾンテ) ウォレット
イルビゾンテは、1970年にイタリア・フィレンツェで誕生しました。
フルベジタブルタンニンで鞣されたレザーは、使い手によってさまざまな表情へと変化します。
バッグや革財布、革小物など、バリエーション豊かなアイテムが揃い、バイソンと星をモチーフにしたロゴがデザインのアクセントとして人気を集めています。
また、「アイテムが完成して終わりではなく、使い手が愛用し、時を重ねるごとにさらに愛される製品を作る」という思想は、ソメスサドルと共通しています。
イルビゾンテは、革そのもののシワやシボを生かした柔らかな質感が魅力で、そのナチュラルな風合いが生み出すおしゃれは、ソメスサドルとはまた一味違った雰囲気を楽しめます。
さらに、10色以上のカラーバリエーションを展開しているのも大きな特徴です。
イルビゾンテの革財布は、あえて裏地を付けず、切りっぱなしのコバで仕上げるのが特徴。使い込むほどに、表側(銀面)だけでなく裏側(床面)やコバにも経年変化が現れ、革好きにはたまらない魅力があります。
この二つ折り財布は、外側に付いたがま口タイプの小銭入れがポイント。正面の型押しロゴとフラップのゴールドトーンスナップが上品なアクセントを添えています。
札入れの一辺にはマチがあり、出し入れもスムーズで視認性にも優れています。
| 素材 | 牛革 |
|---|---|
| サイズ | 10cm×8.5cm×2cm |
| 仕様 | 札入れ×1 カードポケット×6 小銭入れ×1 |
| カラー | 12色(グレー/ヌメ/ブラック/ヤケヌメ/オリーブ/グリーン/あか茶/こげ茶/オレンジ/レッド/ネイビー/ホワイト) |
ソメスサドルが向いている人・向いていない人
革財布を取り扱うブランドは、世界中に数多く存在します。
デザインにもそれぞれのブランドらしさがあり、好みやライフスタイルによって「合う・合わない」があるものです。
ここでは、ソメスサドルの革財布が向いている人・向いていない人を確認しておきましょう。
ソメスサドルの革財布が向いている人
ソメスサドルの革財布は、使い込むほどに色艶が深まり、柔らかな質感へと変化していきます。
購入した瞬間がゴールではなく、時間とともにじっくりと革を育て、自分だけの革財布に育てていきたい方にぴったりです。
また、ビジネスシーンやオケージョンスタイルにもマッチする上品なデザインも魅力のひとつ。ベーシックカラーを中心に落ち着いた色味が多く、大人の女性のスタイルに自然に馴染むカラー展開となっています。
さらに、ソメスサドルは堅牢な馬具づくりで培われた技術を活かし、革財布も丁寧で耐久性の高い仕立てが自慢です。
長く愛用できる堅牢性は、使う人に安心感を与えてくれます。
ソメスサドルの革財布が向いていない人
ソメスサドルは、流行のデザインやトレンドを先取りしたスタイルを得意とするブランドではありません。
そのため、財布をファッションの一部として取り入れたい方や、堅実で落ち着いた雰囲気が苦手な方には、少し物足りなく感じることがあるかもしれません。
また、購入したばかりの美しい状態を長く保ちたい方にとっては、経年変化を存分に楽しめるソメスサドルの革財布はやや不向きといえるでしょう。
まとめ
日本を代表するレザーブランド、ソメスサドルは、アイテムを単なる「道具」としてではなく、時を重ねながら経年変化を楽しみ、さらに愛着が深まるような製品づくりを続けてきました。
上質な素材感を生かした飽きのこないシンプルなデザインや、大人の女性に似合う落ち着いたカラーリング、そして長く愛用できる耐久性の高い丁寧な仕立てが特徴です。
また、カーフレザーやブライドルレザー、コードバンなど、世界の名門タンナーによる高品質なレザーを種類豊富に採用している点も魅力のひとつ。
「万双」や「ヘルツ」、「イルビゾンテ」など、ソメスサドルと比較・検討されることの多いブランドも参考にしながら、自分にぴったりのお気に入りの財布を見つけてください。