目次
ペットグッズのEC市場規模
ネットショップの中のジャンルでも特に流通総額を伸ばしているジャンルがあります。
それがペット関係のジャンルです。
経済産業省が公開している資料と見ると、年々流通総額を伸ばしています。
2021年では2,800億円以上の市場となっています。
ネットショップでペットグッズを販売する為の流れ
Step1 販売する商品を決める
ペットグッズと言ってもおやつ、洋服、アクセサリなど複数のジャンルがあります。
どのジャンルの商品を販売するかまずは決めるようにしましょう。
おやつを自社で製造して販売する場合は別途許認可が必要です。
Step2 商品の製造、仕入れを行う
販売する商品が決まったら、自社製造の場合は製造日程、商品をOEMで製造する場合は製造依頼や、仕入れの場合は仕入れ契約をすすめておきましょう。
少量なら事務所に保管する事でも問題ありませんが、大量に仕入れる場合は物流倉庫との契約も行っておきましょう。
仕入についてこちらの記事で詳しく解説しています。
Step3 ネットショップを構築する
ネットショップはショッピングモール型とASP型が主流ですが、集客力はショッピングモール型の方があります。
プチプラものや、型番商品、商品力があるものは、ショッピングモール型。
ブランドや独自性を打ち出していきたい場合は、ASP型のサービスがおすすめです。
ハンドメイドならミンネやクリーマなどのサイトもスマートフォンで管理出来るので便利です。
Step4 商品の梱包方法や発送方法を検討する
梱包にもオリジナリティーを出す事をおすすめします。
そうする事でお客様の記憶にも残りやすくなります。
通常のダンボールより割高になりますがオリジナルの梱包箱も作成する事が出来ますので検討してみてください。
また、実際に出荷する事を想定して梱包や同梱物なども用意しておきましょう。
Step5 物流倉庫への委託を検討する
ネットショップで商品の保管や出荷作業の物流業務は商品が売れてくると時間がかかる作業の一つです。
最初から物流倉庫会社に委託する事で、自社で出荷作業を行う必要がないので、業務を効率化する事が出来ます。
また、企業によっては土日出荷を対応してくれる企業もあります。
出荷のスピードや土日に出荷する事のメリットをサイトに記載する事も出来ます。
Step6 仮注文を行い問題ないか確認する
オープンする前に仮注文を行いましょう。
設定した決済方法が表示されるか、金額は正しいか、配送日の指定は出来るか、送り状は正常に印刷できるかなど、実際の受注を想定したテストを行いましょう。
Step7 ネットショップを受注可能な状態にする
テストを行い問題なければ、受注可能な状態にしましょう。
ネットショップをオープンする事はゴールではなくスタートです。
これから様々な商品の販売や施策を行い売れるネットショップへと進化させていきましょう。
ペットグッズで許認可が必要なケース
許可が必要なケース
ペットフード安全法の規定により、ペットフードを製造販売する際には、農林水産省への届出と帳簿が必要になります。
これらの商品を製造販売するには必ず許可をもらいましょう。
対象になるもの
ペットフード、おやつ、ガム、サプリメント、ミネラルウォーターなど
不要なケース
おもちゃ、洋服などは必要ありません。
口に入れるものを製造販売する際に必要と覚えておきましょう。
また、商品を仕入れる小売店は許可は必要ありません。
ペットフードを販売する際の注意点
ペットフード安全法を順守した商品製造を行う
こちらの法律は上記のように小売店などに製造した商品を販売する際に必要な許可です。
届け出に必要なもの
所在地を管轄する地方農政局等に届け出てください。
申請に必要なフォーマットは下記からダウンロードする事が出来ます
法人の場合は「登記簿謄本」、「登記簿抄本」、「現在事項全部(一部)証明書」、「履歴事項全部(一部)証明書」の、個人の場合は、「戸籍謄本」、「戸籍抄本」、「戸籍全部(個人)事項証明書」、「住民票の写し」のそれぞれいずれか)を添えて、正本1通とその写し1通が必要となります。
帳簿の記載・保存を行う必要がある
許可が出た後も帳簿に記載し、保存を行う義務があります。
罰則となるケースもありますので必ず行うようにしましょう。
最低2年間は保存するようにしましょう。
製造業者の記載ルール
製造したペットフードの名称・数量・製造年月日や原材料の名称、数量
輸入業者の記載ルール
輸入した商品の名称、数量、輸入年月日、荷姿
輸入先の国名、輸入先の名称
輸入した商品が製造された国名、業者の名称、原材料名称
販売した場合の記載ルール
商品の名称、数量
相手の名称、販売した年月日、荷姿
ペットフード安全法の注意点
違反している規格外の製品は回収される恐れがある
製造基準や、成分規格などに違反している場合は商品の回収や破棄が命じられます。
必ず規格内で商品を製造するようにしましょう。
罰則がある
規格違反し製造販売、輸入を行に、廃棄などの命令に従わなかった場合は法人でで1年以下の懲役、法人の場合は1億円以下の罰金となります。
法人、個人問わず許可が必要
ペットフード安全法の許可は、法人、個人問わず必要です。
該当の商品を製造販売、輸入する際は必ず取得しましょう。
ネットショップでペット用品を販売する際の注意点
薬機法
ペットのおやつやサプリメントは医薬品と違い効果効能を表示を行う事が出来ません。
違反してしまうと薬機法違反になりますので注意が必要です。
一例ですが、食べるとガンが治る、よくなる、痩せるなどの表現は違反となりますので注意しましょう。
景品法
景品法とは誤解を与えるような表示をしている商品やサービスから消費者を守る法律です。
また、広告でも認識不足により誇大広告を行ったりするケースも見受けれられますので、痩せる、関節の痛みが取れる餌などの表現は使用しないようにしましょう。
優良誤認
実際に案内している情報より商品が著しく有利であるような表現は禁止されています。
例えば国産原料と謳っている商品が、海外原料を使用している場合や50種類の成分と表示しているのに実際は20種類だった。などの場合は抵触する恐れがあります。
有利誤認
実際に案内している情報より商品の価格や期間が有利であるようにみせる表現は禁止されています。
数量限定ではない商品を数量限定と表記したり、期間限定でない商品を期間限定と表記する事も違法になりますので注意しましょう。
優良誤認は商品の内容に対して、有利誤認は価格やサービス、取引条件に対しての法律となります。
誤認されるおそれのある表示
国産なので安心、といった表現は法律に抵触する恐れがあります。
安心とは個人の主観である為です。一方、安全という表現は何かしらの客観的事実を元に表現していると考えられます。
このように類似した言葉でも意味ありが全く変わってくる場合がありますので、LP制作時などは気をつけるようにしましょう。
ネットショップでペットグッズの販売を成功させる為のコツ
ペルソナを設定する
ペルソナとは具体的なターゲットの事です。
大切な事はどういう人が商品を購入するのかという点をしっかり把握する事です。
犬の専門店にするのか、猫の専門店にするのか、餌も価格重視でいくのか、品質重視でいくのかなど、考えるポイントはたくさんあります。
一度ペルソナを設定してそれに沿う形でサイトコンセプトや販売する商品を決める事をおすすめします。
販売価格を調査する
ペットグッズは競合も多いジャンルなので競合の販売価格調査は必須です。
単品だけでなく、3個セット、5個セットなど複数購入する事で値引きされるようなお得セットなども用意しましょう。
トライアル商品、定期通販の初回お試しを用意する
ペットフード限定にはなってしまいますが、初めて購入される方の為に、初回限定の小容量で500円、1000円などのポッキリ企画の商品など用意できれば用意しましょう。
次回以降は通常のラインナップを購入してもらえるように、同梱物にQRコードで案内するなど工夫してみましょう。
2回目以降のインセンティブ
2回目以降購入してもらえるように、おまけをつけたり、次回使えるクーポンなども配布しましょう。
場合によっては購入回数が高い方には1回無料で商品を提供するなども有効です。
商品の写真を充実させる
洋服やアクセサリの場合は、犬種によってイメージが異なります。
お客様がどの犬種を飼っているかはわからないので、メジャーな犬種の着用画像が複数あると、お客様の犬種と一致する可能性があり、イメージしやすくなります。
誕生日クーポンを配布する
お客様の誕生日月にはお得なクーポンを配布してみましょう。
新規のお客様の購買に繋がりリピーター様は別の商品を追加で購入頂けるかもしれません。
安心感のあるランディングページを作成する
ペットグッズはわかりやすく、安心感のあるランディングページが好ましいです。
その悩みを解決するのが商品の役割であり、それを伝えるのがランディングページの役割です。
商品のメリット以外にも、成分の特性、製造の工程などの情報も盛り込みましょう。
上述のように薬機法や景品法に違反しないよう文言には気をつけましょう。
SNSで認知を広げる
商品を購入する前に、商品のレビューや口コミを気にする方も多いと思います。
SNSなどで商品のアンケートを取ったり、配布して感想を投稿してもらうようにしましょう。
定期販売を行いリピーターを獲得する
ペットフードは気に入って頂けるとリピーターになってくれる可能性があります。
複数回購入すると、値引きされる、お得な商品がもらえるなど優遇される企画を考えましょう。
レビュー獲得を積極的に行う
レビューは直接商品を手にとって見る事の出来ないネットショップにとって、信頼感を与えてくれます。
レビューを獲得する為には、いい商品、お客様に喜んでもらえる商品作りを行う事は勿論の事、レビュー施策も併せて行っていきましょう。
多様な決済方法を取り入れる
ネットショップのメインの決済方法はクレジットカードですが、それ以外の決済方法も可能な限り取り扱うようにしましょう。
例えば、商品配送時に代金を支払う、代引き決済やコンビニで支払うコンビニ決済にも一定の需要があります。
この決済を利用したいユーザーがいるという事なので、決済が用意されていないと離脱の原因になってしまいます。
チャットやポップアップなどのWeb接客ツールを活用する
ページ上で気軽に質問が出来るチャットシステムはお客様とのコミュニケーションをスムーズに行う事ができて、購入率が上がるかもしれません。
また、ポップアップの機能はお客様に対して画面上に訴求のある情報を伝える事が出来ます。
例えばクーポンやセール情報です。
うまく活用する事で売り上げ向上に役立ちます。
関連商品を提示してついで買いを促す
ネットショップではお客様の好みにあわせた商品を表示させる事が出来ます。
探している商品の属性と似ている商品を提示する事で商品の購入率が上がったり、一緒に購入するとより便利になる商品の提示を行う事で単価アップも期待できます。
ポイント付与・クーポンを活用する
ポイントの倍率アップやクーポンの発行はセール時などに活用しましょう。
セール時はお客様が商品を購入したいという気持ちが高まっています。
最後の一押しをするという意味でもポイントやクーポンの付与は効果的です。
メルマガ・LINEなどを活用する
メルマガやLINEは登録追加してもらうと、追加してくれたお客様に対して、お得な情報などを発信する事が出来ます。
会員限定のお得な情報以外にも、販売ページでは伝えきれていない商品の魅力や情報などを発信し、コミュニケーションをとる事が出来ます。
お客様とのコミュニケーションを深める事で記憶に残るショップになるかもしれません。
おすすめのカートシステム
リピートPLUS
リピートplusは定期通販に特化したカートシステムなので、定期通販と相性の良いペットフードの販売におすすめです。
転換率を向上させる為のフォーム一体型LPや年間234時間削減の受注処理の自動化など事業者に嬉しい機能が盛りだくさんです。
月商規模が1000万円程の場合は月額費用49,800円で利用できるスタンダードプランがおすすめです。
楽楽リピート
定期にも単品にも対応しており定期の場合は10日~120日と幅広い周期を設定する事が出来ます。
受注面では購入内容や顧客属性に応じて、お手紙のテンプレートを設定できます。
同梱物はネットショップの販促としては非常に有効なので嬉しい機能ですね。
Shopify
世界中で数百万も使用されている近年人気のネットショップサービスです。
様々な機能が用意されており、拡張性が高いのが特徴です。
Make Shop
流通額10年連続No1となっておりコストパフォーマンスの良さがメリットです。
カード手数料は3.14%~となっておりますので手数料を低く抑えたい場合におすすめです。
11,000店舗以上に導入されており、ネットショップに必要な機能も充実しています。
BASE
テレビCMでおなじみのBASEはとにかく簡単にネットショップが開業出来ます。
メールアドレスがあればその日に開業が可能です。
- 初期費用・月額固定費 無料
- 販売手数料:3%
- 決済手数料:3.6%+40円
- 入金手数料: 2万円未満:振込手数料250円+事務手数料は500円
- 2万円以上:振込手数料250円
- 商品登録数:上限なし
BASEの特徴はHTMLやCSSなども使用でき、出来なくテンプレートが用意されているので始めての方でも簡単に使用する事が出来ます。
BASE Appsを利用すると様々な機能を追加する事が可能です。
他のサービスと大きく異なるのは、売上金をBASEに申請する必要があります。
申請処理は忘れずに行いましょう。
楽天市場
楽天市場は大手モールなので集客力に定評があります。
単品通販は勿論定期通販も利用する事が出来ます。
楽天市場のクーポン配布やポイントアッププログラムなどお得に購入できる仕組みがあります。
初回限定、ポッキリ企画など集客力があるので、2回目も購入してもらえるような企画が大切になります。
ペット用品ECで揃えておきたい機能
ペット商品を販売する際にあると便利なネットショップサービスの機能を紹介します。
レビュー掲載機能
ネット通販での購買要素を左右する要因に第三者の口コミ、レビューがあります。
レビューには良かった点、悪かった点の両方がありますが、お客様は第三者のレビューを参考にしてお買い物をされる事があります。
カートシステムはレビューを掲載できるものを選ぶようにしましょう。
定期通販の機能
お客様が任意に決められた日にちの中からお届け回数などを選択する事が出来ます。
こうする事でお客様は注文する必要がなく、便利な機能です。
ネットショップ運営者側にも自動的に受注データが流れてきますので通常通りの出荷作業を行えば問題ありません。
CRM分析の機能
CRMは顧客の属性や管理を把握したり分析する一連のシステムの事です。
この機能を用いて、どのお客様がどれぐらい購入されているか、どいう属性の商品を購入しているかなどを把握し、それに沿ったキャンペーンの実施などに役だちます。
ステップメールの機能
ステップメールは顧客の属性や注文状況に応じてメールを送信する事が出来ます。
例えばクーポンを獲得している人にはクーポンを使用して購入を後押しするメールや、購入回数、商品属性などに応じて効果的なメールを配信する事が出来ます。
参考になるペットグッズのネットショップ
PEPPY
PEPPYは犬猫に特化したペットグッズ専門のサイトです。
取り扱い商品は8000点以上になり商品だけでなく、コラムや施設の情報も充実しています。
charm
chramは犬猫をはじめ、熱帯魚、小鳥、うさぎなど幅広いラインナップの商品を提供しています。
熱帯魚の場合は餌以外にも生体も販売していたり、飼育で必要なLEDライトなどの機械類の扱いもあり豊富な品揃えです。
ネットショップ開業時に活用できる助成金・補助金
ネットショップ開業時に確認して欲しいのが国や自治体の助成金や補助金です。
場合によっては多額の資金を助成されるチャンスがありますので必ず確認しておきましょう。
IT導入補助金制度
ホームページやネットショップサービスなどIT事業を支援するITツールの導入の際にかかる費用の一部を国が補助してくれます。
補助額は最大で350万円となります。
また、パソコン、タブレット、プリンターなども最大で10万円補助してくれます。
事業再構築補助金
https://jigyou-saikouchiku.go.jp/
新型コロナの影響をうけて、事業転換、新分野展開などを行う際の補助金になります。
ただし、無料のネットショップ、ショッピングモール型の参入などは対象外となっているようです。
これまでネットショップはやってこなかったが、事業転換を考えている企業には最適な補助金ですね。
従業員規模に応じて補助金額は異なりますが、最大で8,000万円もの補助を受けられる可能性があります。
自治体の補助金
自治体によっては独自の補助金を設けている場合があります。
制度の有無は自治体によって異なるので管轄する役所に問い合わせてみましょう。
まとめ
この記事ではペットグッズを販売する為の手順や、ネットショップで成功する為のコツを紹介しました。
口に入れるペットグッズは自社で製造販売する場合は、許認可が必要な事もわかりましたね。
効果効能は薬機法に抵触する為、謳えないのでランディングページ作成時や広告出稿時には注意しましょう。
また、ペットグッズは個人でも気軽に販売できるジャンルでもあります。
副業感覚で試しに販売できますのでチャレンジしてみましょう。