目次
楽天市場とは?
楽天市場は日本を誇る大型のネットショッピングモールで出店店舗数は5万店舗以上、月間のアクティブユーザーは5000万人超えと言われています。
また楽天の会員数は1億人以上でネットショップで商品を販売する際に真っ先に思い浮かぶサイトです。
楽天市場の流通総額
楽天グループ全体の流通総額は5兆円、楽天市場単体では3兆円突破となっています。
とてつもない規模の商流を誇っている事がわかりますね。
楽天市場の商品数
2022年4月時点で3.6億点以上と公表されています。
引用:https://rakuten.today/blog-ja/rakuten-ichiba-25years-2022-j.html?lang=ja
楽天市場の市場シェア
経済産業省の国内電子商取引市場規模によると2019年ではECの流通総額は約19兆円となっています。
楽天市場単体で3兆円なので15%近くのシェアを占めている事がわかります。
楽天市場の平均月商
最新の情報は見当たりませんでしたが、2014年にyoutubeに投稿されている楽天の情報だと平均月商は320万円となっていました。
2022年の段階ではさらに増えている事が予想されますがあくまで平均なので億以上を売っている上位店が数値を伸ばしている可能性があります。
引用(音が出ますのでご注意ください): https://www.youtube.com/watch?v=BTd-_p7xt3I
楽天市場に出店するメリット
メリット1 集客力がある
冒頭にも記載しましたが、楽天市場のメリットは何と言っても圧倒的な集客力があります。
月間5000万ものアクティブユーザーがいるので、商品力と認知されれば新規参入した場合でも売上を伸ばせる事が期待できます。
メリット2 楽天ポイントなどの楽天経済圏が強力
楽天ポイントは楽天カードでの支払いや、楽天グループのサービスを利用する事でたまっていきます。
貯まったポイントで楽天市場で買い物をするという一連のサイクルが出来ています。
楽天ポイントで貯めて、楽天市場を利用するという独自の経済圏を形成しています。
メリット3 運営のサポートが充実している
楽天市場は専属のECCコンサルタントが運営の相談や広告の提案などを行っています。
また、ネットショップの知識を身に着けられる楽天大学、定期的なカンファレンスを開き様々なノウハウを学ぶことが出来ます。
メリット4 大規模のセールやキャンペーンの定期開催
楽天市場では大型の楽天スーパーセールや、買い回り企画のお買い物マラソンなどのお得なイベントが用意されています。
このセール期間やイベント期間はアクセスが増える傾向にあるので、商流も増えていくことが見込まれます。
このような大型のセールでは楽天がクーポンを発行したり店舗の商流を上げる為のサポートなどを行ってくれる場合があります。
メリット5 アフィリエイトによる集客が可能
楽天市場では楽天アフィリエイトと呼ばれるプログラムが用意されています。
楽天アフィリエイトは楽天市場外で商品の紹介などを行い、そこから楽天市場に流入して購入された場合はサイト運営側に報酬が支払われるプログラムの事です。
自社の商品が人気のあるサイトに掲載されると商品mの流入が増えて、売上も増える可能性があります。
メリット6 広告や店舗運営支援サービスが揃っている
自社サイトだと難易度の高い、広告の運用も楽天市場なら簡単に設定が出来ます。
検索連動型の広告やバナー広告、カテゴリー広告など幅広い広告が用意されています。
クーポンの発行、ポイントの付与など簡単に設定できますので初心者の方でもスムーズに使用する事が出来ます。
楽天市場が儲からないと言われている理由
楽天市場のような大型のネットショッピングモールだと、出店すれば売れるのか?と少なからず思われる方もいると思います。
しかし、楽天市場は出店すれば売れるとは言いずらいです。
その理由をいくつか紹介します。
理由1 手数料が高い
楽天市場は手数料が高いと言われますが実際にどれぐらいかかるか調査しました。
月額出店料:19,500円~100,000円
システム手数料(パソコン経由):2.0%~6.5%
システム手数料(モバイル経由):2.5%~7.0%
楽天ポイント原資:1%
モールにおける取引の安全性・利便性向上のためのシステム利用料:0.1%
楽天スーパーアフィリエイト(アフィリエイト成功報酬+システム利用料):2.3%~5.2%(2%×15%~4%×30%)
R-Messe利用料:月額3,000円~5,000円
楽天ペイ(楽天市場決済):2.5%~3.5%
引用:https://www.rakuten.co.jp/ec/plan/cost_detail/
ファッションジャンルで月商100万円で発生する手数料の例
合計金額 | がんばれ!プラン 128,600円 | スタンダードプラン 104,100円 | メガショッププラン 104,100円 |
システム利用料 パソコン | 26,000円 | 16,000円 | 16,000円 |
システム利用料 モバイル | 41,500円 | 27,000円 | 27,000円 |
システムサービス利用料金 楽天ポイント原資 | 9,500円 | 9,500円 | 9,500円 |
システムサービス利用料金 安全性・利便性向上の システム利用料 | 1,000円 | 1,000円 | 1,000円 |
システムサービス利用料金 アフィリエイト利用料 | 15,600円 | 15,600円 | 15,600円 |
楽天ペイ(楽天市場決済) 利用料 | 35,000円 | 35,000円 | 35,000円 |
引用: https://www.rakuten.co.jp/ec/plan/cost_simulation/
ざっくりですが、ファッションジャンルで月商が100万円の場合約10%が楽天市場へ手数料が請求される計算になります。
あくまで楽天市場で決済がされた注文分なのでその他にも発送で使用する資材や人件費、送料なども発生します。
集客力が高いサイトでも手数料10%は高いと感じる方も多いのではないでしょうか。
理由2 差別化が難しい
楽天市場では既に4000万商品程の商品が販売されています。
その中で他社と差別化を行い、売上を上げていくという点ではハードルが高いように感じます。
差別化と言っても価格以外にセット商品を販売したり、販売ページで差別化したりなどは可能ですので競合が多いジャンルに参入する場合はこれらの施策は必要です。
理由3 価格競争に巻き込まれやすい
特に型番商品やトレンド感のある商品は他店との価格競争に巻き込まれやすいです。
他店が安くすると、自社の商品も安くする。それを見た他店がまた安くするなど。堂々巡りな所もあります。
消費者にとっては、価格が安いという事は商品を購入しやすいという事でもありますが安くするにも限界があります。
個人的には価格以外の部分で価値を感じてくれる商品開発を行うのが今度より重要になってくるのではと思います。
理由4 運営に手間がかかる
AmazonFBAのように商品を登録して終わりという訳には楽天市場の場合はいきません。
お客様の電話対応、メール対応、出荷対応、ページ作成などは外注を使用しない場合全て自社で行う必要があります。
採算ぎりぎりで運営している場合は恐らく外注に出すと赤字になってしまうのではないでしょうか。
楽天市場はAmazonと比べると店舗構築が割と自由に出来ます。
LP作製スキルやコーディングスキルも必要になりますので自社で人員がいない場合はさらに外注費が必要になります。
理由5 楽天市場独自のルールがある
楽天市場には独自のガイドラインがあります。
楽天以外の外部リンクの禁止、画像のサムネイルルール、明細書の入れ間違い、同梱物のルール、ランキング掲載の為の架空注文など厳格化されています。
違反するか加点され、一時休店の処置などがあります。
楽天市場全体の品質を担保するという理由でのルール化ですが、場合によっては大規模な改修が必要な場合もあるかもしれません。
理由6 専任のECコンサルタントにバラツキがある
1店舗ずつ楽天のECコンサルタントがサポートしてくれる体制になっていますが、担当に知識の差やレスポンスがバラバラな印象があります。
例えば問い合わせた事の返信がなかったり、担当がコロコロ変わったり担当によってサポートできる範囲が違うのかと思います。
楽天市場で儲からない店舗の特徴
楽天市場に出店したものの、あまり儲からない、失敗して退店しようとならない為に儲からない店舗の特徴を紹介します。
これに当てはまる場合は可能な限り改善を検討してみてください。
特徴1 商品の利益率が低い
楽天市場は手数料が高い為、その分も計算した上で、商品の選定と販売価格の設定を行う必要があります。
例えば3000円で仕入れたものを3500円で販売してしまうと利益が出ませんよね。
低単価、低利益の商品だと仮に回転率が良かったとしても、発送にかかる資材や物流コストなどを考えると割りにあわないケースが多いと思います。
さらに広告費や販促費も確保しておきたいので仕入れ価格の5倍から10倍でも売れる商品が好ましいです。
特徴2 低価格の商品が多い
低価格の商品は利益率が多少良くても利益が少なくなってしまいます。
楽天市場はスタンダードプランの場合は月額で5万円もかかりますので低価格の商品が多いとコストを圧迫します。
メインの商品+低価格の付属品という販売戦略ならいいですが、低価格路線はできれば避けたいです。
特徴3 入り口商品や売れ筋商品が無い
ひと昔前はとにかく商品数を増やしてアクセスを増やすという考え方がありました。
しかし、時代の流れもあり同じような商品だと差別化できずに売れないという面もあります。
ただ出品すれば売れるという時代は終わったのです。
なので、売れ筋商品というのを最低1商品は作るという事を意識しておきましょう。
特徴4 需要のない商品を扱っている
インターネットのビジネスはとにかく検索される必要があります。
検索される=需要があるとも言えます。
なので時代錯誤の商品や魅力のある商品でも、お客様がどういう風に検索するか不明な商品は結局検索されません。
トレンド感のある商品や季節商品は需要があり、検索されるから売れるわけです。
基本的な事ですが重要な事です。
インターネットのビジネスはとにかく検索される必要があります。
検索される=需要があるとも言えます。
なので時代錯誤の商品や魅力のある商品でも、お客様がどういう風に検索するか不明な商品は結局検索されません。
トレンド感のある商品や季節商品は需要があり、検索されるから売れるわけです。
基本的な事ですが重要な事です。
特徴5 商品のクオリティーが低い
商品のクオリティーが低い商品は恐らくレビューて低評価を付けられ、クレーム対応に時間がかかり、運用コストが高くなります。
その結果閉店という事にもなりかねないので、ユーザー目線に立って、この商品のどういう点がお客様を喜ばせるのか?という視点は持つようにしましょう。
特徴6 配送スピードが遅い
商品は出来るだけ早くお届け出来るのが理想です。
オーダーメイドや取り寄せ品のような商品は流通上仕方ないかもしれませんが、在庫している商品はできるだけ当日出荷できるように体制を整えましょう。
他社が同じような商品を扱っている場合、配送スピードが遅いことが理由で離脱される可能性があります。
楽天市場で儲ける為にやるべき事
やるべき事1 商品や他店のリサーチを行う
実際に楽天市場で商品を検索してみると多数の商品があります。
自社の商品がどれぐらい需要がありそうな、いくらぐらいで販売すれば競合に勝てるのか、価格で勝てない場合は、どういう点をアピールしていくのかなど事前に販売戦略を決めておきましょう。
やるべき事2 正確な利益計算とキャッシュフローを把握する
楽天市場は手数料が発生する他、発送する為の資材、送料などもかかってきます。
規模によっては物流をアウトソースするとこの部分のコストも発生します。
それを踏まえて利益計算をし、赤字にならないように販売価格を決める必要があります。
また、楽天スーパーセールなどのセール時にはいくらぐらい値引き出来るのか、ポイントやクーポンの負担金額も事前に試算しておきましょう。
楽天市場はクレジットカードで注文された場合、商品の出荷後に決済がされるので仕入れの問題で事前に資金が必要な場合などは注意が必要です。
利益計算に必要な項目の一例
上代金額、仕入れ金額、手数料、送料、資材費、人件費というのが自社で対応した場合に発生します。
物流会社にアウトソースした場合は荷役料と呼ばれる、入庫料、出庫料金、送料、保管料、ギフト包装などを行う場合は別途作業代が発生します。
さらにネクストエンジンのような受注管理システムを導入している場合はシステム使用料、販促を行う場合はクーポン、広告費、ポイントなどが別途発生します。
やるべき事3 楽天市場のサポートを利用する
楽天市場では売上を上げる為に、他社店舗の施策や画像加工、写真の撮影方法などネットショップの運営に必要なノウハウを提供してくれます。
ネットショップ初心者の方も、そうでない方も最新の事例を把握できる事もありますので積極的に活用しましょう。
楽天大学のサポート内容一例
主に、マーケティング、ページ、撮影・編集、集客、顧客対応・配送、基礎知識、経営というジャンルで構成されています。
不足している部分を補ったり、新人研修などでも使用出来ます。
やるべき事4 商品の認知度を上げる
これは楽天市場だけではなくネットショップ全般に言える事ですが商品自体の知名度や認知度を上げる事をおすすめします。
というのはネットショップは無数にありBASEのように無料で簡単に制作するシステムもあり出店の敷居は下がっている為、どこから集客してくるかが重要になってきます。
商品の紹介コンテンツやYou Tuberに使ってもらったり、SNSで情報発信したり認知を上げる事で楽天内の広告費を抑えながら売上を伸ばす事も可能です。
商品の認知度を上げる施策の例
SNS運用、広告、プレスリリース、アフィリエイト、コンテンツ作成、展示会出展、CM、雑誌広告など
やるべき事5 利益率を上げる
利益率を上げる為には、現在仕入れているところ以外から商品を安く仕入れられないかを確認する必要があります。
他にも利益率を上げる方法として、資材の見直し、運送会社との送料交渉、販売価格を上げるなどが考えられます。
一番ネックになるのは人件費の部分なので、外注に依頼する事でコストを下げる事ができれば外注を検討してみてください。
まとめ
この記事では楽天市場が儲からない理由を解説しました。
圧倒的な集客力は魅力的ですが、どうしてもコストがかかるのがわかりましたね。
また、競合商品が多いジャンルに参入すると販売価格の面でも競争に巻き込まれます。
大切なのはどこのプラットフォームで売るかという事より、どういう商品を販売し、どのように認知してもらうかです。
既に楽天市場に出店している方も、そうでない方もこの部分は強化していきましょう。