目次
楽天市場とは?
楽天市場は楽天グループが運営する日本を代表する大型のショッピングモールです。
楽天市場は楽天の会員IDが1億2700万と公表されており日本人の約一人1個は楽天市場の会員になる計算です。
月間のアクティブユーザーは5000万人とも言われており多くの人が日々使用しています。
これは人通りの多い所で商売が出来るという事なので、ネットショップをこれから始めたいとお考えの方も楽天市場はおすすめです。
楽天市場に出店するメリット
メリット1 集客力がある
冒頭にも記載しましたが、楽天市場のメリットは何と言っても圧倒的な集客力があります。
月間5000万ものアクティブユーザーがいるので、商品力と認知されれば新規参入した場合でも売上を伸ばせる事が期待できます。
メリット2 楽天ポイントなどの楽天経済圏が強力
楽天ポイントは楽天カードでの支払いや、楽天グループのサービスを利用する事でたまっていきます。
貯まったポイントで楽天市場で買い物をするという一連のサイクルが出来ています。
楽天ポイントで貯めて、楽天市場を利用するという独自の経済圏を形成しています。
メリット3 運営のサポートが充実している
楽天市場は専属のECCコンサルタントが運営の相談や広告の提案などを行っています。
また、ネットショップの知識を身に着けられる楽天大学、定期的なカンファレンスを開き様々なノウハウを学ぶことが出来ます。
楽天市場に出店するデメリット
デメリット1 初期費用、運営コストがかかる
楽天市場はスタンダードプランで36万円、運営コストが月間5万円、商品が売れた際の手数料で約10%近くがコストとしてかかります。
特に商品の利益率が低い場合はかなりの販売件数が必要になりますので十分コスト試算した上で出店の検討を行うようにしましょう。
デメリット2 店舗構築や運営にノウハウやスキルが必要
店舗構築はHTMLの知識が無くても簡易的なページなら構築可能ですが、見栄えに良くするにはある適度の知識が必要です。
また、スーパーセール、お買い物マラソンなどのイベント時にはバナーの設置、ポイント倍率の変更、クーポンの設定、価格変更など、運営の手間がかかります。
商品が大量にある場合はさらに時間がかかるのと初心者の方は少し大変かもしれません。
デメリット3 楽天市場独自のルールがある
楽天市場には独自のルールがあります。
例えば商品サムネイルは画像面積に対してテキスト占有率が20%以下、外部のリンクは禁止などです。
時には大改修となる場合がありますので、楽天ルールの中でネットショップを運営する必要があります。
楽天市場へ出店する為の流れ
実際楽天市場へ出店する際、どのような手順となるのかを解説していきます。
Step1 楽天市場の出店に必要なものを用意する
出店申込書
審査の書類
商材によっては営業許可や資格などの書類
登記簿謄本
また、楽天のオープン審査というものがあり、その際に最低1商品は商品登録が必要になります。
登録には商品写真が必須なので事前に用意しておきましょう。
Step2 楽天市場のホームページより出店申し込みをする
https://www.rakuten.co.jp/ec/open/
楽天市場のホームページから出店申し込みを行う事が出来ます。
事前に資料請求も出来ますので、気になる方は確認してから申しこみするようにしましょう。
Step3 オープン審査に向けて店舗構築を行う
申し込み後、アカウントが発行されたらRMSと呼ばれる楽天市場の専用システムから店舗構築を行っていきます。
主に、決済情報、配送情報、会社概要や店舗情報、1商品以上の商品登録、トップページ作成、スマートフォン用のページ作成を行う必要があります。
はじめてネットショップや開業する方やネットや不慣れな方は少し難しく感じるかもしれません。
楽天側でマニュアルが用意されていますので基本的にマニュアルに沿ってすすめれば問題ないと思います。
作業を短縮させたい場合は楽天市場の出店代行サービスを提供している業者もいるので外注する事も出来ます。
Step4 オープン審査を受ける
諸々RMSでの設定が終わったらRMSからオープン審査の依頼を行います。
審査にはしばらく時間がかかりますので、その間に資材の発注や送り状の設定などやるべき事はたくさんあります。
審査は楽天側から修正を求められる場合もありますので、その場合は修正してから再度オープン審査に挑みましょう。
Step5 審査通過後に最終確認をしてオープン
オープン審査に通過したら正式にオープンです。
最終確認として問い合わせ用のメールアドレスや電話番号、納期や配送日時の設定、販売価格が間違えていないかなど確認する事をおすすめします。
オープン後は試行錯誤して商品が売れるように頑張りましょう。
楽天出店・運営にかかる費用
楽天市場で必要になるコストは主に2つあります。
出店する為のコストと運用でかかるコストです。
楽天市場に出店する為の費用
結論ですがスタンダードプランだと初回の支払いは36万円となります。
無料で出店できるサービスも多数ありますので、正直36万円は高いなと感じる方もいると思います。
がんばれ!プラン | スタンダードプラン | メガショッププラン | |
19,500円×12ヶ月分=234,000円 ※年間一括払 | 50,000円×6ヶ月分 =300,000円 ※6ヶ月ごと2回払 | 100,000円×6ヶ月分=600,000円 ※6ヶ月ごと2回払 | |
初期登録料 | 60,000円 | 60,000円 | 60,000円 |
初回お支払い金額合計(税別) | 294,000円 | 360,000円 | 660,000円 |
このように一番安いプランのがんばれ!プランでも30万円近く開店資金で必要になるのがわかります。
しかし、冒頭に記載したように楽天市場はサイトへの流入が多く、いわばネットショップの一等地のような場所です。
商品や戦略によっては爆発的な売り上げを叩き出す事も出来るので、そういう意味では高くないとも言えます。
システム使用料
下記の表はプラン毎の比較になります。
最も安いメガショッププランでも最低2%発生します。
がんばれプラン | スタンダードプラン | メガショッププラン | |
こんな人におすすめ | ネットショップ運営のご経験が少ない 事業者様におすすめ! 割安な料金でスタートしやすい プランです。 | 目標とする月商が 約140万円以上 の事業者様におすすめ! 低コストで店舗運営できる プランです。 | 商品数や画像量が多く必要 な事業者様におすすめ! 容量を気にせず 店舗運営できるプランです。 |
月額出店料(税別) | 19,500円/月 年間一括払 | 50,000円/月 半年ごとの2回分割払 | 100,000円/月 半年ごとの2回分割払 |
システム利用料(税別) | 月間売上高の 3.5~7.0% | 月間売上高の 2.0~4.5% | 月間売上高の 2.0~4.5% |
登録可能商品数 | 5,000商品 | 20,000商品 | 無制限 |
画像容量 | 500MB まで | 5GB まで | 無制限 |
それ以外にも様々なコストが発生しますので紹介します。
ジャンルによって変動がある手数料は、アフィリエイト手数料です。
最大で5%前後かかる場合があります。
楽天スーパーポイント原資
お客様が獲得する楽天ポイントは原則出店者側の負担になります。
最低1%の負担からで最大20%まで増額する事が出来ます。
単純にポイントアップすればするほどコストがかかります。
安全性・ 利便性向上のためのシステム 利用料
こちらは月間売上高の0.1%がかならず発生します。
楽天スーパー アフィリエイト
アフィリエイト経由で商品が販売された際は、別途アフィリエイト手数料が発生します。
販売価格に対して2.6%~の量k9院が発生します。
楽天ペイ手数料
楽天ペイ手数料は楽天が用意している決済を利用した際に発生します。
代引きなどは店舗独自の決済なのでこのような場合には手数料は発生しません。
月間決済高の2.5%~3.5%がかかります。
R-Messe
こちらはお客様とのやりとりで使用するチャットのようなツールです。
使用の有無は選択できませんので、必ず使用する事になります。
スタンダートとメガプランが月額5,000円 その他のプランは月額3,000円となっています。
楽天市場の運営コストまとめ
楽天ポイント | 楽天会員が購入した代金の通常1.0% |
モールにおける取引の安全性・ 利便性向上のためのシステム 利用料(税別) | 月間売上高の0.1% |
楽天スーパー アフィリエイト(税別) | アフィリエイトを経由した売上の2.6%~ |
R-Messe(税別) 月額固定費:3,000円~ | 会話数に応じての従量課金 |
楽天ペイ(楽天市場決済)利用料 | 月間決済高の2.5%~3.5% |
楽天出店・運営費用のシミュレーション
楽天のホームページ上で実際にどれぐらいコストがかかるのかシュミレーション出来るのでやってみました。
例1 月商100万円 客単価 ~3,000円 ファッションジャンルの場合
合計金額 | がんばれ!プラン 128,600円 | スタンダードプラン 104,100円 | メガショッププラン 104,100円 |
システム利用料 パソコン | 26,000円 | 16,000円 | 16,000円 |
システム利用料 モバイル | 41,500円 | 27,000円 | 27,000円 |
システムサービス利用料金 楽天ポイント原資 | 9,500円 | 9,500円 | 9,500円 |
システムサービス利用料金 安全性・利便性向上の システム利用料 | 1,000円 | 1,000円 | 1,000円 |
システムサービス利用料金 アフィリエイト利用料 | 15,600円 | 15,600円 | 15,600円 |
楽天ペイ(楽天市場決済) 利用料 | 35,000円 | 35,000円 | 35,000円 |
引用: https://www.rakuten.co.jp/ec/plan/cost_simulation/
ざっくりですが、月商が100万円の場合約10%が楽天市場へ手数料が請求される計算になります。
それから仕入れや光熱費、人件費、送料、資材代などを差し引くと赤字にはならないと思いますがそれほど手元には残らないと思います。
例2 月商300万円 客単価 ~10,000円 家電・パソコンジャンルの場合
合計金額 | がんばれ!プラン 334,200円 | スタンダードプラン 264,200円 | メガショッププラン264,200円 |
システム利用料 パソコン | 73,500円 | 46,000円 | 46,000円 |
システム利用料 モバイル | 115,500円 | 73,000円 | 73,000円 |
システムサービス利用料金 楽天ポイント原資 | 28,500円 | 28,500円 | 28,500円 |
システムサービス利用料金 安全性・利便性向上の システム利用料 | 3,000円 | 3,000円 | 3,000円 |
システムサービス利用料金 アフィリエイト利用料 | 11,700円 | 11,700円 | 11,700円 |
楽天ペイ(楽天市場決済) 利用料 | 102,000円 | 102,000円 | 102,000円 |
月商300万円の場合、手数料は約8.8%となりますので売り上げが高くなれば手数料が低く抑えられる事がわかりましたね。
楽天市場の出店審査の詳細
書類審査
楽天市場の出店申し込みホームページより申し込みが可能です。
出店申込書
審査の書類
商材によっては営業許可や資格などの書類
登記簿謄本
このようなものを提出しますが、ここでは主に会社の情報を確認するのだと思います。
審査に落ちた場合理由は明かされませんが法人の場合でも物販未経験、会社登記後間もないなどの場合は審査落ちする場合もあります。
商材審査
申し込みが完了し、アカウント発行後RMSが使用出来るようになったら、商材審査も行いましょう。
商材審査は全ての商材が受ける必要はなく、楽天市場が定めたジャンルの商品のみ審査を受ける必要があります。
事前審査が必要な商材
[日本製]・[海外製]医薬品、医薬部外品、医療機器(コンタクトレンズを含む)、化粧品、健康食品
おせち料理
弊社指定ブランドメーカー品(※ノベルティ含む)
携帯電話等中古携帯通信端末
車体
役務提供
プロスポーツライセンス商材
販売に際して免許等を必要とする商品(食品、酒類、中古品等)
検査キット
PCソフトウェア
回線契約を伴う商品
金券類
メーカー、産地などから購入者へ直送される商品
生体 ※哺乳類、鳥類、爬虫類は禁止商材です。
このような商材は事前審査が必要です。
引用:https://www.rakuten.co.jp/ec/open/attention/
取り扱い禁止の商材
楽天市場では、販売が禁止されている商品があります。
このような商品は販売ができません。
引用:https://www.rakuten.co.jp/ec/open/attention/
オープン審査
各種申請が終わったらRMSよりオープン審査を受ける必要があります。
オープン審査ではRMS上の設定が出来ているかという点を主に確認します。
例えば会社概要、配送情報、TOPページの作成、最低1商品以上の商品登録、カテゴリ作成、スマートフォンページの作成などは必要です。
全て終了したらオープン審査を楽天側に依頼しましょう。
ちなみにオープン審査の場合、審査に落ちた場合でも修正後、再審査を受ける事が出来ます。
出店審査で落ちるケースと通過のポイント
個人事業主以外の個人
副業でネットショップをやりたいと思う方もいると思いますが、個人の方は審査に通りにくいようです。
なのでメルカリのようにフリマ感覚で余っているものを気軽に売ってみたいという方には向いていません。
まずは個人事業主として開業届けを出して、実績を積んでから楽天市場に開業する流れがおすすめです。
楽天市場は申し込み時点での出店審査とアカウント発行後のオープン審査の2つの審査があります。
特に最初の出店審査の場合、企業の状況によっては審査に通過しない場合があります。
この場合は基本的に諦めるしかないと思います。
禁止されている商材での出店
楽天市場では商材によっては販売できないものがあります。
上述していますのでこのような商材は販売する事が出来ません。
引用:https://www.rakuten.co.jp/ec/open/attention/
楽天市場では個人事業主も出店可能ですが、開業間もない場合審査に通らない可能性があります。
その場合は数年間ビジネスを行い、再度申請すれば審査に通る場合もあります。
楽天市場の出店の際の注意点
転売業者がすでに低価格で販売している
販売予定の商品が既に転売業者などが低価格で販売している場合があります。
事前に価格の変動や、どれぐらいの店舗が販売予定の商品を販売しているのかは最低限リサーチしておきましょう。
また同じ価格の商品であっても、配送スピードが遅いと他店に流れる可能性がありますので物流まわりも問題ないか事前確認は必須です。
ECCコンサルタントは指名できない
店舗には1人楽天のECCコンサルタントがつきます。
店舗のフォローや広告の提案などを行ってくれますので色々な事を相談する事が出来ます。
このECCはこちらから指定する事は出来ません。
またECCにも異動がありますので、急に担当が変更になる事もあります。
個人の副業は不可
個人の副業を目的した出店は不可です。
楽天市場で自分で仕入れたものを販売したい、手作りのアクセサリを販売するといった事は出来ません。
個人で販売する場合はメルカリやヤフオクなどもあるのでそちらのサービスをご利用ください。
必要書類を不備なく用意する
楽天市場の審査で必要な書類がもれなく必要になります。
1枚でも不足していると、審査に通らないのでオープンしたい2か月頃前から徐々に集めるようしましょう。
2か月というのは少し多めに記載していますが審査や店舗構築に時間がかかる場合があるので逆算してこれぐらい見ておきましょう。
商品在庫を用意する
審査通過後、オープンしたら速やかに商品の受注開始して発送できる体制を整えましょう。
オープン前からSNSなどで告知を行うなどなどし、盛り上げる事が出来ればオープン初日に受注をとれる場合もあります。
その際にすぐに商品を発送できるように、商品の在庫は用意しておきましょう。
楽天市場の開業時に活用できる助成金・補助金
ネットショップ開業時に確認して欲しいのが国や自治体の助成金や補助金です。
場合によっては多額の資金を助成されるチャンスがありますので必ず確認しておきましょう。
IT導入補助金制度
ホームページやネットショップサービスなどIT事業を支援するITツールの導入の際にかかる費用の一部を国が補助してくれます。
補助額は最大で350万円となります。
また、パソコン、タブレット、プリンターなども最大で10万円補助してくれます。
事業再構築補助金
https://jigyou-saikouchiku.go.jp/
新型コロナの影響をうけて、事業転換、新分野展開などを行う際の補助金になります。
ただし、無料のネットショップ、ショッピングモール型の参入などは対象外となっているようです。
これまでネットショップはやってこなかったが、事業転換を考えている企業には最適な補助金ですね。
従業員規模に応じて補助金額は異なりますが、最大で8,000万円もの補助を受けられる可能性があります。
自治体の補助金
自治体によっては独自の補助金を設けている場合があります。
制度の有無は自治体によって異なるので管轄する役所に問い合わせてみましょう。
楽天市場の出店代行業者2選
楽天市場の出店を代行してくれる業者を紹介します。
面倒で手間のかかる部分を外注出来るので、空き時間に仕入れや商品開発、運用スタート後のオペレーション決めなど自社で注力したい部分に時間を使えます。
株式会社ビエナセクション
専門知識を持ったスタッフが運営ルールをしっかり理解した上でプロの視点で制作しています。
撮影やバナー作成、ショップデザインなどはネットショップでは必須です。
難しいと感じる方はプロの力を借りてスムーズな店舗構築を行う事をおすすめします。
価格:550,000~商品数20品以内
※ページの作り込み具合により価格変動あり。
株式会社 ALL WEB CONSULTING
https://allweb-consulting.co.jp/ec-startup/
自社で用意する必要のあるもの以外は丸投げで出店代行を行ってくれますので初めて楽天に出店される方でも安心ですね。
さらに、オープン後1か月間は運営サポートを行ってくれるので、管理画面の使い方や運営の流れなど気軽に相談できる点がポイントです。
価格:15万円~ 商品内回遊バナーやコンテンツページ制作・商品登録代行など行う内容によって料金が変動します
まとめ
この記事では楽天市場に出店する際の費用や運営コストなどを紹介しました。
スタンダードプランでも36万円かかるので、ちょっと高いかなという印象を持った人も多いと思います。
しかし、楽天市場は月間5000万人ものアクティブユーザーがいます。
このようなネットショップの一等地で商品は販売できれば決して高くはない金額だと思います。
面倒な審査も代行してくれる業者もいるので不安な方は業者と一緒に開業を目指しましょう。
ネットショップは開業する事が目的ではないので、開業後は売れるネットショップになるように改善を繰り返していきましょう。