ネットショップの中でもアパレルは、幅広い世代に人気のあるジャンルです。
アパレルのネットショップは、バーチャル試着やオンライン接客などの機能を導入し、あらゆる技術をサービスにつなげる取り組みが行われています。
ただし、国内市場が縮小傾向にあることや新規顧客獲得が難しいなどの課題もあり、売り上げを上げるためにあらゆる施策が必要です。
今回の記事では、ネットショップの国内市場規模や課題、売り上げを上げる方法をご紹介します。
アパレルのネットショップの売り上げを上げたい場合は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
アパレルのEC市場について
アパレルの国内市場規模
参照：株式会社矢野経済研究所
矢野経済研究所の調査によると、2022年の国内アパレル総小売り市場規模は前年比105.9%の8兆591億円でした。
アパレル小売りには紳士服・洋品、婦人服・洋品、ベビー・子供服・洋品が含まれています。
総小売り市場規模はコロナ禍による外出自粛や行動制限により2020年に停滞しましたが、2021年から外出機会が増加したことにより実店舗の利用機会が増え、2年連続で前年を上回っています。
一方でアパレルのネットショップはコロナ禍では成長が顕著にありましたが、実店舗の購買需要が増えたことや、需要が落ち着いたことで一時成長率は鈍化しました。
ただし、近年アパレルのネットショッピングは増加傾向にあり市場は拡大傾向にあります。
ブランドによっては店舗販売よりオンラインショップの売り上げの方が大きいケースもあります。
今後、アパレル企業によるネットショッピングへの参入は、増えていくでしょう。
アパレルのEC化率
経済産業省の「電子商取引に関する市場調査」によると、アパレル業界のEC化率は2022年には前年比5.05%となっており年々緩やかに成長しています。
＜アパレルのEC化率＞
| 分類 | 2021年 | 2022年 | ||
| 市場規模（億円） | EC化率 | 市場規模（億円） | EC化率 | |
| 衣類・服飾雑貨等 | 24,279 前年比 9.35%増 | 21.15% | 25.499 前年比 5.02%増 | 21.56% |
アパレル業界のEC化率増加は物販系全般で共通しているものであり、スマートフォン経由のネットショッピングの増加が増えたことによる影響があります。
アパレルのリユース市場規模の推移
リユース経済新聞の調査によると、2022年のリユースの市場規模は2兆8976億円でした。
リユース市場は新型コロナ禍の影響により、2020年に一時的に停滞をしていましたがその後は成長を続けています。
リユース市場の中でアパレル市場は5,119億円で、前年比11.6%の増加です。
ブランド品古着の人気が高く多くの店で取扱いされているため、アパレルリユース市場の拡大に貢献していると言われています。
近年の物価上場に伴い、今後もアパレルのリユース市場は拡大していくことでしょう。
参照：リユース経済新聞「リユース業界の市場規模推計2023（2022年版）
家計調査によるアパレル種類別支出額
総務省統計局の家計調査によると、消費者の衣料品の年間支出額は年々減少傾向にあります。
2020年はコロナ禍による影響により支出額は減少傾向ですが、2021年以降少子化が進み、ターゲット層が縮小していることも減少傾向の理由となります。
＜家計調査によるアパレル種類別支出額＞（円）
| 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | |
| 男子用洋服 | 11,413 | 11,398 | 13,650 | 12,573 |
| 婦人用洋服 | 21,204 | 20,411 | 21,278 | 20,249 |
| 子供用洋服 | 4,532 | 3,926 | 3,838 | 3,852 |
参照：総務省統計局家計調査より
今後のアパレル業界展望
今後のアパレル業界は市場が縮小傾向である課題に直面し、厳しい状況になる可能性が高くなります。
厳しい情報を打破するには、IT技術の促進や海外展開をしていく必要があると言えます。
現在の状況に合わせた施策や改革をすることで、新しいビジネスチャンスが生まれ事業の可能性が広がるはずです。
バーチャル試着システムなどのデジタル技術の活用やオンライン接客を積極的に活用し、時代に合わせた施策をしていくことが重要になります。
アパレルネットショップの課題
アパレルのネットショップは緩やかに拡大をしている状況ですが、今後の社会状況の変化によりさまざまな課題に直面すると予想されます。
ここからは、アパレルネットショップの課題を解説していきます。
国内市場は縮小が進む傾向にある
日本の人口が減少している状況から、アパレル業界の国内市場は縮小傾向にあると言われています。
国内のアパレル販売のEC市場の縮小にも、影響を与えるでしょう。
国内市場縮小の対策は、販売チャネルを増やすことや海外事業をいかに進めていくかを考える必要があります。
新規顧客獲得が難しい
実店舗でアパレル商品を販売していた企業が、自社のネットショップを構築するケースが増えてきました。
ネットショップは立ち上げたばかりでは認知度が低く、新規顧客獲得が難しいのが課題です。
新規顧客獲得のためにWEB広告を出稿する企業も多いです。
WEB広告は、コストが高くなるので費用対効果を考えて効果的に広告を打てる方法を検討しなければなりません。
いかに効率的な新規顧客獲得を目指すかも、アパレル業界の課題です。
少子化が進みターゲット層が縮小している
現在日本では高齢化が進み、国内の人口の年齢は全体的に上がり少子化が進んでいます。
アパレルを販売するブランドのターゲット層である若い世代の人数が、減少していることも課題の一つです。
アパレル業界で少子化対策の対策をする場合は、外国人のインバウンドや越境ECを検討すると良いでしょう。
国内市場だけではなく、海外市場に目を向けることでネットショップの売り上げが上がる可能性があります。
人手不足が深刻化している
国内の年齢が全体的に上がっていることで、人手不足や後継者不足もアパレル業界の課題となっています。
高い技術を維持することに目を向けられ、新しい技術の開発や事業展開をしにくい状況になっています。
今後は、人手不足の対策をしながらもアパレル事業の新たな発展を考えていく必要があります。
フリマアプリなどのCtoC市場が台頭している
近年、Yahoo!オークションやメルカリなどのフリマアプリの市場が人気を集めています。
CtoC市場の台頭により、一次流通である「アパレル市場は衰退するのではないか」と言われています。
ただし、フリマアプリで出品をした売り手が、その売上げを使って新しいアパレル商品を買うという傾向も。
一次流通と二次流通には相互関係があり、ネットショップはその関係性を上手く利用し一次流通の購入を促す施策が必要です。
自社のショップ決済で、フリマアプリの売り上げを反映できる決済（メルペイなど）の導入をすると、一次流通の商品購入がしやすくなります。
サスティナブルな取り組みの検討が必要になる
近年、アパレル業界でもサスティナブル・ファッションへの取り組みが進んでいます。
主にアパレル業界では、衣料品のリサイクルなどの推進が行われています。
これまでの大量生産、大量消費経済ではなく、これからは「資源製品の価値の最大化、資源消費の最小化、廃棄物の発生抑止」など、製品や資源の価値をできる限り長く維持していく循環経済の方向へ転換するでしょう。
参入障壁が低く競合が多い
アパレルのネットショップは、販売会社の参入障壁が低いため競合が多いのも課題です。
ITの発達により、ECサイトは専門的な知識がなくても構築が可能になりました。
ネットショップの運営や在庫管理を、サポートする企業も増えています。
参入障壁が低いアパレルのネットショップは、競合が多くなります。
店舗の利便性が高い
アパレルを購入する際は、実店舗で買うことに慣れている人が多いのではないでしょうか。
実店舗はサイズを確かめたり試着をしたりすることで、安心して購入ができます。
一方ネットショップでは顧客が商品を手にしてから選べないため、実店舗より不便と感じる人もいるでしょう。
ネットショップで販売する際は、実店舗で買い物ができるような購入体験を考える工夫が必要です。
自分に合ったサイズが分かりにくい
実店舗でアパレルを購入する場合はサイズ合わせが可能ですが、ネットショップでは試着ができず自分に合ったサイズを確認できません。
ネットショップは、「せっかく洋服を買ったのにサイズが合わなかった」とユーザーに感じさせない工夫が求められます。
ネットショップを運営する際は、最適なサイズをユーザーに提案できるアプリや機能を導入するなどさまざまな施策をする必要があります。
商品の着用イメージがつきにくい
ネットショップは商品の着用イメージがつきにくいので、ユーザーの購入意欲をどう高めるかも重要な課題です。
商品を着用している画像や動画を掲載するなど、購入後にユーザーが使っているシーンを想像できるようにする必要があります。
ネットショップ運営では、商品の着用イメージがつきやすい工夫をしましょう。
価格競争に巻き込まれやすい
アパレルのネットショップは参入障壁が低く、多くの企業がショップを展開しているため価格競争に巻き込まれやすいという課題があります。
とくにECモール出店でアパレル商品を販売する場合、競合が多く集客争いや価格競争に巻き込まれやすいと言えます。
アパレルのネットショップを運営する際は自社のブランディングを確実に行い、ユーザーに選んでもらえるショップ作りや施策を行いましょう。
在庫ロスが発生しやすい
いくつかのネットショップと実店舗で別の在庫管理をしていると、顧客情報や在庫管理情報を連携するのが難しくなります。
在庫管理の連携がとれていないと、実店舗では在庫があるのにネットショップでは売り切れるという在庫ロスが生まれる可能性も。
アパレルは季節性のある商品のため、在庫管理がうまくできないと販売機会を逃し利益を生み出せなるかもしれません。
アパレルのネットショップは、在庫管理システムを整えることが重要です。
定価販売の期間が短い
アパレルは季節や気候に合わせて、商品が販売されます。
日本では四季の移り変わりによって、アパレルの在庫が左右されます。
また、アパレルはトレンドにも左右されるため、同じ商品を一年後に販売されているというケースはほとんどありません。
季節やトレンドのピークを過ぎた商品は定価販売の期間が短くなります。
需要予測が困難
アパレルは地域や気候、トレンドによって左右される商品です。
そのためアパレルは需要予測が困難であり、適切に在庫管理をしなければなりません。
アパレルのネットショップは、在庫管理を一元化するなどの工夫が必要となります。
原価割れの在庫処分が数多くある
アパレルで売れなくなった商品は、アウトレットに出されることが多くなります。
アウトレット商品は、原価割れを起こしているものがほとんどになります。
原価割れ商品が多くなれば、ショップの利益にはつながりません。
さらにアウトレットでしか売れなくなる商品が多くなると、アウトレット商品が過剰在庫を起こすという課題もあります。
商品サイクルが速い
アパレルは、トレンドのサイクルが速い業界です。
季節商品やトレンドの販売期間は短く、在庫管理にも影響を与えます。
また、需要予測が困難であるため、適切な在庫を確保するのが難しく過剰在庫や在庫不足を引き起こすことも。
アパレル商品は過去の販売データや在庫データなどから、精度の高い需要予測が重要です。
アパレルネットショップのビジネスモデル
多くのアパレルネットショップがある中で、ビジネスモデルは「メーカーブランド直販型」「モール型」「個人経営型」「サブスクリプション型」に大きく分けられます。
ここからは、アパレルネットショップのビジネスモデルをご紹介します。
メーカーブランド直販型
メーカーブランド直販型は、実店舗を持ちながらオンラインストアの展開をしているブランドのネットショップです。
メーカーブランド直販型は自社のブランド商品のみを販売するため、ブランドやショップの世界観をアピールするサイトを構築することが重要になります。
自社独自のサイトなので、キャンペーンや会員サービスなど細やかで自由な施策ができます。
たとえば、独自のファッションメディアやバーチャル試着など、さまざまな機能を連携させてオリジナルのECサイト構築が可能です。
メーカーブランド直販型は、自社のブランディングをすることでお客様のファン化につなげやすくなります。
モール型
モール型のネットショップは、楽天市場やAmazonなどのショッピングモールに出店しアパレルを販売する方法です。
ファッションECモールは、ZOZOTOWNやMAGASEEKなども人気の高いモールとなります。
モールはさまざまなブランドやショップが出店し、多くの商品を取り扱っているためユーザーは欲しいアイテムを幅広い選択肢の中から購入可能です。
ショッピングモール自体に集客力があるため、多くのユーザーにショップの商品を見てもらえます。
ただし、他社商品も複数出品しているため価格競争もあり、差別化を図る必要があるのが課題です。
自社EC型
自社EC型のビジネスモデルは、個人経営のショップが複数のブランドを取り扱うセレクトショップでネット販売をする方法です。
実店舗での販売を行いながらも、ネットショップで販売する形をとる店舗が多くなります。
自社EC型のネットショップは認知度アップと集客に注力する必要がありますが、大手のサイトやショッピングモールでは扱わないような独自の商品を展開できるメリットがあります。
サブスクリプション型
近年、サブスクリプション型のビジネスモデルの人気が上がっています。
サブスクリプション型は洋服やアクセサリーなどを、月額制でレンタルできるオンラインサイトです。
アイテムを返却すると次のレンタルアイテムが届き、ユーザーが気に入れば購入ができます。
ユーザーはトレンドを追いかけた着こなしができ、試しに着てみて購入という形が取れるのがメリットです。
ネットショップでアパレルの売り上げを上げる方法26選
アパレルをネットショップで販売するには、多くの課題があります。
ネットショップでアパレルの売り上げを上げるには、ブランディングやサイト構築、バーチャル試着システムの導入など多くの施策をしていく必要があります。
ここからは、ネットショップでアパレルの売り上げを上げる方法を詳しく見ていきましょう。
価値観や世界観を伝えるブランディングをする
ネットショップでアパレルを販売するには、競合が多い中で自社ブランドを選んでもらう必要があります。
まずは、自社がどのようなターゲット層に販売するのかを明確にしてください。
長期的な売り上げを確保するために、ブランドのファンをいかに大切にしブランドに熱狂してもらえるかが重要となります。
他社との差別化をするためには自社ブランドやショップのコンセプトを明確にし、ターゲットユーザーからの共感を得られるブランディングをしましょう。
ネットショップでブランドコンセプトを伝える際は、消費者に親しみやすい言葉で表現し「自社のブランドの思い」を分かりやすく伝えることが大切です。
アパレルの洋服は、購入者に自社ならではの機能性やデザインが伝わることが重要なポイントです。
ユーザーに自社のブランドの存在意義を認識してもらえることで、他社と差別化を図れます。
企業は顧客に丁寧で誠意ある対応を意識し、ファンに喜んでもらえるイベントや特典を提供し続けていくことがカギとなります。
サスティナブルファッションを意識する
アパレル産業では今、サスティナブルファッションを考慮することが求められています。
ファッション産業は大量生産・大量消費・大量廃棄により、製造にかかる資源やエネルギー使用の増加、ライフサイクルの短命化などから環境負荷が大きい産業と指摘されているのが現状です。
環境省を中心として「衣服の生産から着用、廃棄に至るまで環境負荷を考慮したサステナブル(持続可能)なファッション」への取り組みが急速に進められています。
企業は社会的意義として、サスティナブルファッションを意識した販売方法を検討しましょう。
商品点数やカテゴリーを増やす
アパレルの商品点数やカテゴリーを増やすことも売り上げアップにつながります。
商品点数を増やすとページ数が増えるため、検索エンジン経由で集客しやすいのがメリットです。
また、商品点数が多いと合わせ買いをしやすく客単価が上がりやすくなります。
商品点数やカテゴリーを増やすことは、売り上げアップにつながります。
バーチャル試着システムを導入する
バーチャル試着とはデジタル技術を活用し、インターネット上でアパレル商品を試着できるサービスです。
バーチャル試着はスマホやWEBカメラで撮影した写真をアップロードし、画像に商品をフィッティングし、お客様が試着したかのような画像を作れます。
お客様はネット上で手軽に試着でき、商品の着用イメージできます。
さらに正確に試着したいユーザー向けに、身長や体重の数値をサイトに入力し正面と側面の写真を撮影すると、おすすめのサイズや着用感を提案してくれるバーチャル試着もあります。
バーチャル試着はネットショップや実店舗の在庫に左右されることなく、いつでもどこでも試着のシミュレーションができるのが魅力です。
バーチャル試着は、顧客体験価値の向上になるので消費者の購買意欲が上がるのがメリットになります。
LINEやチャットを利用してオンライン接客をする
オンライン接客は、オンライン上で店舗のような接客を提供するサービスです。
店舗のスタッフが個別にぴったりな商品やサービスを提案するため、顧客の購買意欲向上につながります。
店舗スタッフがオンライン上で丁寧に接客することで、ネットショップの信頼度も上がります。
ライブコマースでおすすめや新作をPRする
ライブコマースとは、ライブ配信とネット上で行われる商品の取引を組み合わせた販売手法です。
アパレルブランドやショップがライバーやインフルエンサーに依頼し、おすすめ商品や新作をPRできます。
ライブの視聴者は配信者にリアルタイムでコメントや質問ができ、ライブ配信の特別感や双方向のコミュニケーションが楽しめるのも魅力です。
ライブではアパレル商品の詳細やブランドの思いなどもリアルタイムでお客様に配信できます。
ライブコマースはアパレル商品との相性が良いため、積極的に活用すると効果があります。
SNSでブランドや商品の特性を投稿する
アパレルのネットショップ販売では、SNS活用も欠かせない施策です。
Instagramは写真や動画などのビジュアルがメインとなっているので、アパレル商品との相性が良いです。
投稿では、商品の紹介動画や着用イメージを紹介すると良いでしょう。
また、ブランドのストーリーが伝わる動画をアップするのもおすすめ。
Instagram投稿ではブランドやショップの魅力が十分に伝わり、新規顧客獲得やリピーターの増加が期待できます。
在庫や物流の管理を徹底する
実店舗とネットショップ、モールなど多店舗展開をする場合、在庫や物流の管理を徹底する必要があります。
在庫管理の一元化ができていないと、自社サイトで品切れの商品が実店舗やモールで販売されている状況が発生します。
他店舗で在庫があるのにも関わらず、ユーザーが購入した際に品切れとなる状況は販売機会を損失になりかねません。
また、アパレル商品は検針・検品ネームやタグ付け、サイズ・色・デザインなどの仕訳が必要です。
トレンドや季節性にも左右されるため、多用な在庫管理が必要となります。
最近では商品在庫を物流センターに集約し、物流業務を外部に依頼する「販売代行サービス」を利用する企業も増えています。
お客様にスムーズに商品をお届けし、確実に在庫管理をするために販売代行サービスを取り入れるのも良いでしょう。
返品交換の対応をスムーズにする
アパレルのネットショップでは商品購入後にサイズが合わなかった場合、返品ができないことや返品しづらいといった問題があります。
実店舗で購入した場合は、領収書があれば返品交換はできる場合がありますがネットショップの場合、購入者都合での返品は許可されていないケースがほとんどです。
購入した商品が返品可能でも、送料は自己負担の場合が多くなります。
アパレル商品はお客様のサイズ違いやイメージのミスマッチが起こりやすい商材です。
アパレル商品の返品交換は真摯に対応し、スムーズに行うようにしましょう。
実店舗のスタッフを活用する
実店舗のスタッフを、活用した施策をするのも良いでしょう。
ネットショップ運営のスタッフによる「オムニチャネル化」やスタッフの「アンバサダー化」も、売り上げアップにおすすめの施策です。
スタッフの商品スタイリングをネットショップに反映し、直接購入できる動線を作ると購入者はブランドを身近に感じます。
スタッフブログを開設し、商品のコーディネートや商品レビュー、ライフスタイルの提供をするのも売り上げを上げるのに効果的です。
動画やビジュアルを活用してブランドや商品を紹介する
アパレル商品はイメージ戦略がカギとなります。
動画やビジュアルを活用してブランドや商品紹介することも、売り上げアップにつながります。
動画では商品の詳細やカラー展開、スタッフによるスタイリングや顧客の許可を得た写真を活用するのも良いでしょう。
動画は画像や説明文よりも商品イメージが伝わりやすく、顧客の購買意欲が高まります。
メルマガや公式LINEで既存顧客へイベント情報などを発信する
メルマガや公式LINEで、既存顧客に有益な情報を発信するのも良いでしょう。
メルマガやLINE公式アカウントは、お客様に直接的にアプローチが可能でありスムーズにイベントやセール情報、クーポンの発行が可能になります。
添付ファイルで画像の提供もできるので、ボリュームのあるコンテンツ配信が可能です。
メルマガやLINEは、既存顧客との直接的なコミュニケーションを強化するのに有効です。
アパレルショップ専用のアプリを導入する
アパレルショップ専用のアプリを導入することも、売り上げアップにつながるでしょう。
アプリは個別の顧客情報が取得しやすいため、ユーザーに合わせた情報や特典を提供できます。
たとえば、ネットショップの商品の試着予約をして店舗で試着ができるシステムがあれば、「商品サイズが自分に合っているのか」と不安な人安心して買い物ができます。
アプリはイベントやクーポン、新着情報、会員登録などが掲載でき、オンラインショップへの動線もスムーズです。
アパレルショップ専用アプリは、顧客の購買意欲を高めロイヤルカスタマーの獲得にも貢献します。
まとめ買いや複数商品購入を促す提案をする
アパレルのネットショップで売り上げを上げるために、まとめ買いや複数商品を促す提案もおすすめです。
まとめ買いを促すには、関連性のある商品を組み合わせて提案したり、商品のスタイリング画像を掲載したりするのも良いでしょう。
まとめ買いや複数購入の場合は、割引価格を設定することや送料無料にするなど特典をつけると消費者の購入意欲が向上します。
まとめ買いや複数購入を促すことで客単価が上がり、売り上げを増やすことが可能です。
季節やイベントに合わせたセールをする
短期間でネットショップの売り上げを上げたい場合は、セールがおすすめです。
季節やイベントに合わせたセール期間中は割引価格で商品を購入でき、ポイントアップなどの特典をつけることでユーザーの購入意欲が高まります。
ただし、大幅な値下げをしてしまうと赤字になることやブランドのイメージダウンにつながる場合も。
季節やイベントに合わせたセールはなるべく頻繁に行わず、自社の利益が出るように施策をしましょう。
リピーター獲得のためにクーポンやポイント発行をする
アパレルのネットショップは、クーポンやポイント発行がリピーター獲得に有効です。
商品購入二回目以降に使える割引や合計金額に応じて、割引やセット割を適用するのも良いでしょう。
ネットショップでは購入ごとにポイントを付与するのもおすすめです。
商品を購入すればするほどポイントが貯まり、お買物券として利用できるためリピーターを増やせます。
クーポン発行や割引をする際は、通常価格も掲載するとお買い得感がありユーザーが商品を買いやすくなります。
ECサイト内で商品の検索性を向上する
アパレル商品は種類が多く、商品数が多ければ多いほど商品を探すのに時間がかかります。
ECサイト内で商品の検索性が向上されると、ユーザーのストレスが軽減され、「次もこのショップで買い物したい」と感じてもらえます。
商品の検索性を上げるために、カテゴリー分類やブランド別、価格帯別で結果を絞る条件検索やフリーワード検索機能を導入すると良いでしょう。
サイズや画像などの商品情報を充実化する
アパレルのネットショップでは、お客様は実際に商品の試着ができません。
商品ページは、サイズや画像などの商品情報をできるだけ多く掲載しましょう。
とくにアパレルは、衣類のサイズ感が分かりにくいと迷うお客様が多いです。
サイズチャートを詳細に掲載し、採寸方法なども詳しく表記するとお客様も最適なサイズを探しやすくなります。
商品ページには商品画像だけではなく、着用画像やコーディネート画像も掲載するとお客様に正確な情報が伝わるでしょう。
レコメンド機能を導入する
レコメンド機能とは、おすすめのアパレル商品をAIがユーザーの購買履歴やお気に入りから分析して掲載する機能です。
AIはさまざまなデータを元に、お客様に合わせた最適な商品が何かを分析します。
レコメンド機能を用いることで探していた商品を見つけたり、知らなかった商品に出会えたりするため、利用者の満足度向上につながるはずです。
サイズ感や素材の質感などのレビューや口コミを集める
アパレルのネットショップは、レビューや口コミを集めることが重要なポイントです。
レビューや口コミは実際に購入した人のリアルな体験であるため、商品購入を迷っているユーザーが参考にするケースが多くなります。
アパレルの場合はとくにサイズ感や素材の質感、実際に着用した人の評価がおすすめです。
コーディネート提案
コーディネート提案とはトレンドやユーザーの選らんだ商品に合わせて、商品詳細やカート内のアイテムにコーディネート提案をする機能です。
コーディネート提案が表示されたユーザーは、合わせ買いやまとめ買いをしやすくなり客単価が上がります。
メールマガジンやLINEと連携させて顧客にコーディネート提案はすると、リーピート率も上がりやすくなります。
インフルエンサーや有名人とのコラボレーション
インフルエンサーや有名人とのコラボレーション商品を開発するのもおすすめです。
企業によるPRとは違った訴求ができるため、幅広い層に商品やショップの認知をしてもらえます。
コラボレーション商品をSNSで発信すると、インフルエンサーや有名人のフォロワーを自社の顧客に取り込め話題性を生むことができます。
顧客セグメント別のプロモーション
顧客セグメントとは自社のサービスに関連する顧客を、属性ごとに分類したグループのことです。
年齢や性別、地域、行動などで分類したグループに分けて、それに応じたキャンペーンを実施することは効果的なプロモーションになります。
「購入頻度が高い顧客層に特別割引」「新規会員登録をした顧客にクーポンを配信」「見込み客にダイレクトメールを送り割引をする」など顧客セグメントに合わせて、タイムリーにプロモーションをすると、顧客の購入意欲を高められます。
ギフトサービスの充実
アパレルはギフトにもおすすめの商品です。
お誕生日や記念日、御祝いやクリスマスプレゼントなど幅広いプレゼントに向いています。
アパレルのネットショップはギフトサービスを充実させると、顧客の利便性が上がり売り上げにつながります。
顧客が選らんだアイテムをスタッフがラッピングするものや、自宅でお客様自身がラッピングできるキットを販売するなどさまざまなサービスを検討しましょう。
熨斗や気持ちを添えるメッセージカードを提供するサ―ビスも、おすすめです。
最近ではLINEやメールで商品券を送れるギフトカードサービスも人気になります。
トレンドの移り変わりが速いアパレルネットショップでは、多種多様なギフトサービスが求められています。
プレオーダーキャンペーン
新商品の販売前に予約を受けつけて、特典や割引を提供して数週間～数か月先に販売する「プレオーダーキャンペーン」も売り上げ向上におすすめです。
ネットショップを運営する企業にとって「予約販売」の最大のメリットは消費者のニーズを事前に予測し、売り上げを確保できること。
プレオーダー商品は希少性があるため、消費者にとっては「期間内にしか買えない限定商品」という特別感があります。
特典や割引を提供するとさらにお得感もあり、顧客満足度が向上するでしょう。
店舗受け取りサービスを導入する
店舗受け取りサービスとは顧客がネットショップで購入した商品を、実店舗で受け取るサービスです。
店舗受け取りサービスにより、顧客は購入機会損失を防止できることや送料の負担が少なくなるメリットがあります。
店舗側は販売する商品の在庫切れの心配がなく、返品や交換のリスクが減るといったメリットも。
店舗受け取りサービスは顧客の利便性をアップして、売り上げ向上にもつながります。
アパレルを取り扱うネットショップの成功事例
BEAMS
国内外のさまざまなブランドを取り扱うBEAMSは、1976年に創立されたセレクトショップです。
アメカジを軸にメンズからレデイースを中心に、カジュアルファッションを提供しています。
BEAMSのECサイトはスタッフによるオムニチャネル化で、売り上げアップに成功しました。
スタッフ発信のスタイリングやフォトログ、ブログや動画などにより、ネットショップは常に賑わいがあり、購入動線を意識したサイトになっています。
ユニクロ
代表的なファストファッションで世界的に人気のあるUNIQLOも、アパレルのネットショップの成功事例です。
ユニクロは商品アイテム数が多く、カラー展開や写真の表現を統一することで、分かりやすいサイトデザインになっています。
自分の体形に合ったサイズが分かる機能やアプリが実店舗とネットショップどちらでも使えるなどユーザーの立場に立ったさまざまな施策が、売り上げアップに貢献しています。
ネットショップ上で動画やライブ配信を行っているので、常に最新の情報を見ることができるのもポイントです。
COHINA
COHINAは身長150cm前後の小柄な女性向けアパレルブランドです。
「小柄な女性向け」というターゲット層が明確であり、カジュアルから仕事着まで使える「コーディネート提案」をしていることから人気を集めています。
ECサイト内には骨格診断やパーソナル診断機能、コーディネートセットの販売やスタッフによるスタイリングなど、充実したコンテンツがあります。
豊富なコンテンツにより、ユーザーが洋服を選ぶ楽しみを再認識できるサイトです。
youtubeチャンネルも作られていて「小柄女子の5日間デニム生活」や「浴衣特集」など季節に合わせた企画が注目されています。
ZOZOTOWN
ZOZOTOWNは、多くの人気ブランドが出店している日本でも認知度の高い大手ECモールです。
独自のサービスを多数展開しているZOZOTOWNは、季節商品の提案や割引サービス、コーディネートの提案など多くのコンテンツをトップページに掲載しています。
商品ページに返品・交換対象外の記載がなければ、「サイズが合わない」「イメージと違う」「注文を間違えた」などの場合でも返品可能なのも魅力です。
ZOZOTOWNはサスティナブルファッションの取り組みも行っています。
サスティナブルファッションのコンテンツページで、有益な情報を掲載することや古着販売など独自サイトならではのサービスを提供しています。
アダストリア
アダストリアは多くのファッションブランド商品を幅広く販売している、ECサイトです。
ブランドごとにページを作り、世界観が伝わるデザインやコンテンツを提供しています。
公式のInstagramではブランドの世界観が伝わる投稿を中心に、ショップスタッフ紹介なども行っているのが特徴です。
アダストリアでは環境活動としてお客様の不要な衣料品を改修し、新しい資源にリサイクルする「Play Cycle!」の取り組みもしています。
さまざまなコンテンツを作り、賑わいのあるネットショップとなっています。
カバーコード 中目黒
カバーコード中目黒は、「衣・食・住・旅」にまつわるアイテムを取り扱うメンズ・レディースのセレクトショップです。
商品ラインナップが幅広く充実しているため、さまざまな層のユーザーから注目される人気店です。
トップページには、新着ピックアップや季節特集などのコンテンツが充実。
商品ページは商品写真や着用画像が豊富に掲載されているので、顧客がイメージしやすく安心して買い物ができます。
メインメニューにより分かりやすいカテゴリーが設置されているので、ユーザーが欲しい商品を見つけやすいのも魅力です。
FABLIC TOKYO
FABRIC TOKYOは、メンズオーダースーツの専門店です。
実店舗で1度採寸をすればネットショップに測定情報を登録し、自分好みのスーツを作れるオーダーメイドシステムです。
スーツの組み合わせは100種類以上、300種類以上の生地から自分だけのスーツを気軽に作れる楽しみがあります。
スタイリング事例や口コミも掲載されているので、ユーザーが商品をイメージしやすいのがポイントです。
50日以内であれば無料で作り直しができるサービスやLINEで体型診断できる機能が導入されているため、ユーザーにとって利便性の高い工夫が施されています。
まとめ
今回はアパレルのネットショップで、売り上げを上げる方法をご紹介しました。
アパレルECサイトで成功している企業は、消費者のニーズに沿ったアプリの活用やオンライン接客、一人ひとりに合わせた対応をすることでユーザーの立場に立ったサイト作りをしています。
アパレルのネットショップはあらゆる角度から施策をすることで顧客満足度を向上し、売り上げにつなげています。
アパレルのネットショップ運営に悩んでいる場合は、今回の記事を参考にお客様の利便性を考えたECサイト構築をしてみてください。
