近年、化粧品をネットショップで販売をするメーカーや販売店が増えています。
ただし、化粧品のオンラインショップはユーザーが商品を試せないなどの課題があります。
「どのように販売戦略を立てればよいか分からない」という人も多いのではないでしょうか。
今回は、化粧品の売り上げを上げる方法やネットショップの成功事例をご紹介します。
化粧品のサイト作りに悩んでいる場合は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
化粧品・美容のEC市場について
2023年8月発表の経済産業省市場調査によると、化粧品・美容のEC市場規模は9191億円で前年に比べ7.48%上昇する結果となりました。
スマートフォンの普及やコロナ禍の影響により、今や化粧品がネットショップで容易に購入できる時代です。
化粧品のEC化率は他の産業に比べ低い水準にありますが、バーチャルメイクサービスなどの新システムにより今後も化粧品市場の上昇が期待できます。
過去数年の市場規模の推移
参照:矢野経済研究所
化粧品の過去数年の市場規模の推移です。
2020年度はコロナ禍の影響により消費者の外出機会が減り、需要が下がりました。
2022年は消費者の外出機会が徐々に増加し、需要回復が進んだことがわかります。
ただし、コロナ禍前の2019年度の2兆3480億円には復活してないため、今後どのように化粧品需要を拡大させていくのかも課題のひとつです。
化粧品・コスメのEC化率
分類 | 2021年 | 2022年 | ||
市場規模 (億円) | EC化率 | 市場規模 (億円) | EC化率 | |
生活家電 AV機器 PC周辺機器等 | 24,584 | 38.13% | 25,528 | 42.01% |
書籍 映像 音楽ソフト | 17,518 | 46.20% | 18,222 | 52.16% |
化粧品 医薬品 | 8,552 | 7.52% | 9,191 | 8.24% |
生活雑貨 家具 インテリア | 22,752 | 28.25% | 23,541 | 29.59% |
2022年の「化粧品、医薬品」のEC化率は8.24%と生活家電や雑貨など他のジャンルに比べて低いことが分かります。
ただし、2021年のEG化率7.52%に比べ微増しているので今後化粧品のEC化率は上がる可能性があります。
各ECモールの動向
現在、化粧品の中で「スキンケアジャンル」は、ECモールで拡大傾向にあります。
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングの3大モールでは、コロナ禍の影響による外出控えで消費者の需要は減っていたにも関わらず、外出が進む中日焼け対策や肌トラブルに対する需要を受けて再び拡大が継続しています。
Amazon
2023年にアットコスメ「@cosme SHOPPING」がオープンし、幅広いブランドから確かな品質の商品を購入できるようになりました。
Amazonでは特に、スキンケア、ボディケアジャンルがプラス成長となっています。
楽天市場
楽天市場では高級コスメブランドの公式ショップを厳選した「楽天ラグジュアリービューティ」が開設されました。
高級ラインのデパコス商品を購入できるのが魅力で、ECショップの客単価向上に貢献しています。
Yahoo!ショッピング
Yahoo!ショッピングでは、化粧品の売り上げは拡大傾向にあります。
夏は紫外線や化粧崩れ対策の化粧品、冬は乾燥や肌荒れ対策の化粧品と季節によって売れる商品が異なります。
季節に合わせたキャンペーンや広告出稿が効果的です。
化粧品のネットショップの課題
化粧品のネットショップには、使用感を試せないことや競合が多いといった実店舗とは異なる問題があります。
ここからは化粧品ネットショップの課題について、細かく見ていきましょう。
ネットショップでは化粧品の使用感を試せない
化粧品は自分の肌に使用するものなので、実際に試してみないと肌に合っているか分かりません。
今までは店舗に行って、テスターで使用感を試してから化粧品を購入するのが一般的でした。
ネットショップでは実際に化粧品の使用感を確かめにくいので、購入に抵抗があるといった声もあります。
オンラインショップでも、ユーザーが安心して化粧品を購入できる工夫が必要です。
競合が多い
化粧品は他業界と比べて競合が多いといった課題があります。
そのため競争が激しく差別化が求められます。
大手化粧品メーカーのシェア率は高く、新規参入が難しいのが現状です。
競合が多い化粧品業界で売り上げを上げていくには、自社に適したさまざまな販売戦略を組み立てる必要があります。
購入のトラブルが多い
国民生活センターのホームページには、化粧品をネットショップで購入した際の相談件数が掲載されています。
年度 | 2020年 | 2021年 | 2022年 |
相談件数 | 2668件 | 3272件 | 4296件 |
実際に使用感を試せないネットショップは、購入に不安をもつユーザーが多い傾向にあります。
ショップページには化粧品購入や定期購入解約の規定などを明記し、トラブルが起きない工夫をしましょう。
薬機法や誇大広告など法規に留意
自社のネットショップで商品紹介やコンセプト紹介する際には、薬機法や景表法などの法規に留意しなければなりません。
薬機法では消費者の安全を守るために、広告やコンテンツの表現方法を厳しく規制しています。
化粧品の法規にかかわる専門知識がないと知らず知らずのうちに薬機法に抵触してしまうことも。
広告やネットショップをアップする際は薬機法や景表法に違反しないように、専門知識のある担当者や外部の会社に依頼する必要があります。
顧客獲得コストが高騰している
近年GoogleやFacebookなどのWEB広告において、顧客獲得コストが高騰している状況にあります。
化粧品企業は、比較的安いWEB媒体で広告を出稿するという動きになっています。
ただし、安い媒体は大手GoogleやFacebookに比べると広告による集客効果が少ないのが現状です。
WEBにおける顧客獲得コストは今後も上がる可能性が高く、新たなマーケティング施策を考える必要があります。
マーケティングの難易度が高い(特にSEO)
化粧品業界は競合他社が多い市場です。
大手から中小企業まであらゆる会社が参入しているので、WEB マーケティングの難易度が高い傾向にあります。
Googleは大手企業の公式サイトやAmazon、楽天などのショッピングモールが検索上位に表示されることが多く、SEO対策が難しいのが現状です。
ECサイトは、マーケティング施策としてユーザーにとって有益なコンテンツを考案する必要があります。
ドラッグストアや店頭販売のニーズが強い
ドラッグストアやコンビニなど店頭販売のニーズが強いのも、化粧品のネットショップの課題です。
ドラッグストアでは、プチプラコスメなどの安価な化粧品が数多く販売されているので、送料のかかるオンライン販売と比べ利便性が高くなります。
ドラッグストアやコンビニは全国に店舗数が多く、アクセスが良いのも魅力。
実際に化粧品を試して買えるので、肌に合う商品を探すユーザーに合った購入方法と言えます。
ネットショップでは、オンライン限定のキャンペーンや特典をつけるなど店舗販売との差別化を考えましょう。
質の良い化粧品を身近かつ安価で手に入れられる
ドラッグストアなどで買える数百円のプチプラコスメが多いことも、ネットショップの課題です。
ネットショップで化粧品を単品で購入する場合、送料が上乗せされるため割高になります。
また、全国に店舗数の多いドラッグストアやコンビニはユーザーにとって、身近な場所です。
ネットショップはある程度の金額の買い物には向いていますが、化粧品を単品で購入する場合は、店頭で買う方が便利と感じるでしょう。
化粧品のネットショップは、お客様にお得感や利便性を感じてもらえる施策が必要になります。
強引な販売手法による不信感
化粧品は強引な販売手法を用いる企業もあります。
「お試で購入するつもりが定期購入で解約できない」
「無理な電話営業をされた」
などとのトラブルが起こっています。
強引な販売手法を見聞きしたお客様の中には、ネットショップに抵抗がある人もいます。
ファン化しにくい
化粧品はブランドイメージやコンセプトもユーザーにとっては重要な情報です。
ネットショップは直接ユーザーとコミュニケーションがとれないため、ブランドへの愛着を育むのが難しくファン化しにくいのが課題になります。
ネットショップは、まずは新規顧客に良い印象をもってもらえるようにサービスやサポートを充実させましょう。
商品の魅力が伝わりにくい
ネットショップは化粧品の色や香り、テクスチャーなどの商品の魅力が伝わりにくいのも課題です。
ユーザーは「化粧品が自分の肌にあっているのか」を知りたいため、実際に商品を試せないネットショップで買うのに抵抗がある人もいます。
美容部員からのアドバイスをもらいたいというニーズもあり、化粧品のEC化が進みにくい原因となっています。
化粧品ネットショップのビジネスモデル
化粧品ネットショップのビジネスモデルは大きく分けると、「総合通販型」「DtoC型」の2つがあります。
ここからは、2種類のビジネスモデルを詳しくご紹介します。
総合通販型
総合通販型は、複数のブランドの化粧品を集めて販売するビジネスモデルです。
たとえば「アットコスメ」のように多くのブランド商品が販売されている形態が、総合通販型となります。
総合通販型は知名度のあるブランドの化粧品を仕入れることができれば、集客におすすめの販売方法です。
ただし、有名なブランドの商品は他のネットショップでも販売されていることが多いのが現状になります。
総合通販型で競合と戦うには、価格競争も視野に入れていかなければなりません。
DtoC型
DtoC型は自社のオリジナル化粧品を、自社のネットショップで直売するビジネスモデルです。
たとえば「FANCAL」や「DHC」のような自社サイトを運営しているショップになります。
DtoC型のメリットは、同じ商品を販売する競合ショップが存在しないこと。
競合が存在しないので価格競争する必要はありません。
ただし、自社のネットショップはユーザーに認知されるのに時間がかかります。
サイトへのアクセス数が増えなければ、売り上げが上がりにくいのがデメリットです。
DtoC型のビジネスモデルは利益率が高いですが、十分なマーケティング施策をする必要があります。
ネットショップで化粧品の売り上げを上げる方法
化粧品のネットショップは、課題がある中でどのように売り上げを上げていけばよいのでしょうか。
売り上げを上げるにはサイト作りや運営方法、マーケティングや広告などあらゆる観点から販売戦略を施策することが重要です。
ここからは、化粧品のネットショップの売り上げを上げる方法を解説します。
美容系のインフルエンサーとコラボする
美容系のインフルエンサーとコラボすることで、自社商品やネットショップの認知度が上がります。
多くのファンがいるインフルエンサーはSNSユーザーへの拡散力があり、フォロワー以外へのリーチができるのも魅力です。
コラボする際は、自社の化粧品に適したインフルエンサーを選ぶことが大切。
好きなインフルエンサーが紹介する商品はファンにとって信頼性があり「同じ商品を使いたい」と思うため、自社ブランドのフォロワーになってくれる可能性があります。
SNSで使用方法や使用感を発信する
SNSはターゲットユーザーへのリーチができ、化粧品の認知度を上げられます。
最近ではSNSで化粧品を探す人が増えているので、効率よく集客するためにも、積極的に活用しましょう。
SNS投稿は化粧品の使用方法や使用感を発信することで、商品のイメージがつきやすいです。
ショート動画や画像で視覚的に商品紹介をするのも良いでしょう。
SNSの発信は、フォロワーとコミュニケーションを取れるのでファン化や新規ユーザー獲得におすすめです。
購入サイトは納期、お買い物ガイドなどを充実させる
ネットショップを充実させると、ユーザーの利便性がよくなり売り上げアップにつながります。
化粧品は消耗品のため、リピーターを獲得しやすい商材です。
納期やお買い物ガイドが充実すると「また購入したい」とユーザーに思ってもらえます。
化粧品売り上げげアップのために、常に利便性を考えたサイト作りをしましょう。
有効成分や商品名でSEO対策を行う
SEO対策とはGoogleやYahooなどの検索エンジンで、サイトを上位に表示させるための施策です。
検索エンジンで自社サイトを上位表示できれば、集客力が安定し売り上げアップにつながります。
化粧品販売するには「有効成分」や「商品名」のキーワードでSEO対策するのが効果的です。
たとえば、トップページのタイトルタグに有効成分と商品名を含めることでSEO対策ができます。
SEO対策は専門的な技術が必要で、効果が上がるには時間がかかります。
自社で行うのが難しい場合は、専門的な技術のあるホームページ制作会社に依頼するのも良いでしょう。
バーチャルメイクサービスを取り入れる
化粧品のネットショップの課題の一つに「使用感を試せない」という問題があります。
自社サイトに「バーチャルメイクサービス」を取り入れることで課題が解決できます。
バーチャルメイクサービスとは、AIやARの技術を使用しお客様の顔にメイクをしているように見せる機能です。
たとえば、ユーザーが希望のアイシャドウを選択し、自分の顔の写真をアップロードすることでアイシャドウを写真に反映できます。
バーチャルで使用感を試すことで、アイシャドウの色味や質感が自分に合っているか確認できます。
バーチャルメイクサービスは、ユーザーにとって利便性の高いサービスになります。
リピートしてもうらために初回購入に特典を付ける
化粧品は消耗品のため、新規顧客の獲得はもちろんリピーターを増やす施策も大切です。
購入者にリピートしてもらうためには、効果的な施策があります。
・初回購入に次回以降に使える割引クーポンをつける
・初回購入者限定で新商品の無料サンプルをつける
・初回購入時に定期購入を申し込むと価格が割引される
自社化粧品のリピーターを増やすと、安定的な売り上げを確保できます。
毎月の売り上げを確保することで、新商品開発などの施策に取りかかかれます。
化粧品は比較検討が多いのでリターゲティング広告を運用する
リターゲティング広告とは、過去のECサイトのアクセス履歴や購入履歴の情報に基づいて特定の広告を配信する広告です。
リターゲティング広告は、顧客にショップへの再訪を促せます。
リピート率アップが期待できるので、化粧品の売り上げアップに効果的です。
肌質などを相談しながら商品を決められるオンライン接客を導入する
オンライン接客とは化粧品販売員とユーザーをオンライン上でつないでカウンセリングできるサービスです。
実店舗さながらに販売員のカウンセリングを受け、ユーザーに合った化粧品を選べるのが特徴です。
オンライン接客によりユーザーは実店舗に足を運んだ時と同じ体験ができるため、購入意欲を高めます。
化粧品を店舗購入することにこだわっていた人も、オンラインシ接客があれば安心できます。
商品をシリーズや種類別のカテゴリ分けをする
化粧品は使用用途や美容成分、年齢層によってシリーズや種類に細かく分けられます。
スキンケアの分類の中にも、化粧水や乳液、美容液、クリームなど多くの種類があり、ネットショップではお客様が欲しい商品に辿りつけないというケースが起こる可能性があります。
化粧品はシリーズや種類別のカテゴリ分けをしましょう。
ネットショップは、常にユーザーの立場に立ってサイト作りをするのが大切です。
使用感の口コミを集めて信頼性をアップさせる
使用感の口コミは、ネットショップの信頼感をアップさせます。
実際に化粧品を使用した口コミを見て購入を検討する人が多いです。
化粧品に対するさまざまな評価は、検討しているお客様の購入を後押ししてくれます。
口コミの中には評価の低いものもありますが、自社で真摯に対応することでお客様に安心感を与えることができます。
化粧品のサンプル販売した人を追客する
化粧品は一度購入検討したお客様を追客することも重要です。
サンプルを購入したお客様は、商品に興味があり検討していると考えて良いでしょう。
ただし、中にはサンプルが届いても使用していないというケースもあります。
サンプル販売した顧客には、メールや手紙で商品の使用を促すと効果的です。
販売したサンプルの感想をメールなどでお客様に確認するのも良いでしょう。
サンプル販売した人を追客することで商品への意識が向き、購入の後押しができます。
定期購入を導入する
化粧品のネットショップはリピーターが多いと、売り上げが安定します。
ネットショップに定期購入を導入すると、安定的な売り上げが期待できます。
ただし、定期購入を導入する際は単品で購入するよりも化粧品単価を安くすると良いでしょう。
定期購入はお客様にお得感をもってもらい、解約率を減らす工夫も大切です。
まとめ買いで商品単価を上げる
化粧品は日常的に消費する商材です。
ネットショップにまとめ買い機能を付けることで、商品単価が上がり売り上げアップに結びつきます。
ただし、まとめ買いにより購入頻度が落ちない工夫をしなければなりません。
そのために化粧品の単価を安くすることや、購入者にはサンプルをつけるサービスがおすすめです。
チャットサポートを導入する
チャットサポートは、リアルタイムで顧客の質問に回答するサービスです。
ユーザーが疑問に思っていることをすぐに解決できるので、購入につながりやすいのが特徴です。
チャットサポートは気軽に質問できることもポイント。
お客様は質問事項を簡単に入力するだけで良いので問合せのハードルを下げ、購入の機械損失を防げます。
LINEサポートを導入する
LINEサポートとはLINEトークを使って、テキストによるチャット質問が可能なサポートです。
営業時間内はオペレーターが対応し、営業時間外は自動応答(AI)を使った応答ができるようになります。
お客様が簡単に問合せできるLINEサポートは化粧品販売にもおすすめです。
問合せの多い質問や、注意事項、納品や送料などについてあらかじめ質問事項を考えておき、なるべく自動応答できるようにしておくとスムーズになります。
コスメポータルサイトへの掲載をする
コスメのポータルサイトは「アットコスメ」のように、多くのブランド商品や口コミが掲載されたサイトを指します。
コスメポータルサイトは、検索エンジンでは上位表示される傾向にあります。
人気のポータルサイトはすでに多くのユーザーがいるため、自社商品の認知度を上げるのに効果的です。
ポータルサイトは、月額料金で掲載するものや完全成果報酬で掲載できるものなどさまざまな種類があります。
「どのポータルサイトが良いのか分からない」という人は、まずは初期費用が安いサイトに掲載すると良いでしょう。
化粧品無料サンプルプレゼントキャンペーンを行う
化粧品無料サンプルキャンペーンは、自社商品やサービスの認知拡大につながるのでおすすめです。
たとえば、「全員に当たる無料サンプルプレゼントキャンペーン」は、トライアル促進に結びつきます。
無料サンプルキャンペーンは、商品をお客様に使ってもらい口コミを集められるのがメリットです。
メルマガやLINEでキャンペーン情報など有益な情報配信する
ネットショップや自社商品を忘れられないように、定期的にユーザーに情報配信することも重要です。
メルマガやLINEを利用して、キャンペーン情報などユーザーに有益のある情報を配信しましょう。
質の高い配信情報はユーザーが最後まで読み可能性が高く、ショップのリピーターになる可能性が高いです。
化粧品は、次の商品を購入するタイミングやお客様の誕生日に特典付きのメルマガを送るのも良いでしょう。
メルマガやLINEでネットショップのリピート率が上がれば、安定的な売り上げを見込めます。
ギフト包装のサービスを導入する
化粧品はプレゼントにも喜ばれる商品です。
商品をギフト包装すると贈り物としての価値も上がります。
ギフト包装のサービスを導入し、包装紙やリボン、熨斗(のし)の種類をお客様が選択できようにすると良いでしょう。
ギフト包装サービスはネットショップの顧客満足度も向上し、リピート率が上がります。
化粧品の使用方法などが分かる動画コンテンツをつくる
化粧品の動画コンテンツは販売促進に効果的です。
商品の使用方法を説明する「ハウツー動画」は、購入を迷うユーザーにとって有益な情報になります。
動画は化粧品を使う手順や商品の組み合わせなどを盛り込み、新規顧客に興味をもってもらえる内容にしましょう。
「どのように化粧品を使えばメイクをうまく仕上げられるのか分からない」といったユーザーに対しても、視覚的にイメージを伝えられます。
最適なカートシステムを導入する
ネットショップのカートシステムには多くの種類があり、さまざまな機能が利用できます。
たとえば、ネットショップに定期購入サービスを導入する場合は、定期購入に最適なカートを選びましょう。
最近ではクレジットカードや電子決済などターゲットの属性に合わせた決済手段が必須となっています。
ユーザーの利便性を向上させるためには、多くの決済が選べるカートシステムを導入することをおすすめします。
クーポンやポイントの配布
化粧品の売り上げを上げるために、クーポンやポイントの配布も効果が期待できます。
ネットショップの会員や定期購入のお客様には、特別にポイントアップができるシステムを作るのも良いでしょう。
ネットショップでは感謝祭などの独自の記念日を設定し、次回の購入時に割引できるクーポン配布をするのもおすすめです。
クーポンやポイント配布はユーザーが継続的に商品を購入しやすくなり、リピート率が向上します。
会員限定サービスの充実
ネットショップの会員限定サービスは、化粧品のリピート率を上げるために有効な施策です。
たとえば、会員になると購入金額に応じてポイントを付与し、一定期間内にポイントでお買い物ができるサービスがあります。
会員ランキング制度もおすすめです。
顧客を購入金額に合わせてランクに分け、高いランクになるほど送料無料などの特典を充実させます。
会員限定サービスは特別感と顧客満足度を向上させ、継続的に購入してもらえるように促すことができます。
かご落ちメール配信をする
かご落ち商品とはカートに商品を入れたままで、お客様の購入手続きが完了していないことです。
顧客はカートに商品を入れたことを忘れている可能性があり、メール配信で思い出してもらえるようにします。
かご落ちメールの内容は商品の魅力を改めて伝え、購入意欲を高めることが大切です。
メールを配信するタイミングは、3時間後、24時間後、7日後が効果的になります。
多様な決済手段を用意する
最近はさまざまな決済方法をネットショップで利用できるようになりました。
ネットショップのターゲット層によって、選べる決済方法は異なります。
顧客が利用しやすい環境を整えるためには、多くの決済手段を用意することが重要です。
利便性のあるカートシステムは、売り上げ向上につながります。
決済方法は多種多様になりますが、大きく分けると下記の支払方法があります。
- クレジットカード
- 代金引換
- 銀行振込
- 後払い
- コンビニ払い
- キャリア決済
- スマホ決済サービス
会員にアンケートを取り商品の改善をする
リピート率をアップするためには、会員にアンケートを取るのも効果的です。
アンケート内容は化粧品を使用した感想やパッケージデザインへの意見、その商品をリピートする理由などを盛り込み、良い点、悪い点、顧客満足度を把握できるように作ります。
アンケート結果で良い点はホームページに掲載し、悪い点はより良い商品に改善する努力をしましょう。
会員の声を反映した改善は、顧客からの信頼につながり継続的な売り上げが期待できます。
スマートフォンでも見やすいデザインの確認
最近は、若年層ほど男女ともにスマートフォンの購入比率が高い傾向にあります。
シニア層でもスマホでの購入は増加しているので、今後スマホを利用したネットショッピングは増加傾向にあると言えます。
化粧品のネットショップも、スマホで見やすいデザインにすることが大切です。
スマートフォンに合わせた写真の撮り方や掲載方法、商品説明文の伝え方など、細かい部分まで確認しながらデザインしましょう。
商品や包装で環境に配慮していることをアピール
日本政は、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」を目指す宣言をしました。
今、社会全体で環境への意識が高まっているため、商品や包装で環境に配慮していることをアピールすることは重要になります。
ラッピングやパッケージをエコ包装にしたり、脱プラを配慮した段ボールや紙製クッション封筒を利用したりするのがおすすめです。
また、ネットショッピング利用の多いZ世代は、自然災害や環境問題などへの意識が高いとされています。
エコ包装や持続可能な商品開発は、企業のブランディングにもなるため積極的に取り入れていきましょう。
ターゲット層にあったモールへの出店
ターゲット層に合ったモールへの出店もおすすめです。
大きなサイトの中に複数のブランドやショップが出店しているので、集客力があるのが魅力です。
大手ECモールはそれぞれ知名度が高く、モールから自社サイトへの流入も見込めます。
Amazonユーザーは18~34歳と若年層が多く、楽天は35歳以上の年齢層が多くなっています。
モールに出店する場合は自社のブランドのターゲット層に合っているかどうかを確認しましょう。
ライブコマースを活用する
ライブコマースとはECサイトやSNSなどのライブ配信で商品紹介や購入を促す販売手法です。
コロナ禍による外出自粛により、ライブコマースが流行し化粧品の売り上げアップに欠かせない方法となりました。
ライブ配信により出演者が化粧品の使い方を解説し、視聴者からのコメントに答えるやり方が主流です。
美容部員からのカウンセリングのような購買体験ができます。
お客様の悩みを聞いたり、色やテクスチャーを伝えたりと販売員がユーザーと双方向で接客できるのがメリットです。
SNSでのアンバサダー、無料モニター施策
SNSでアンバサダーや無料モニターを募集するのも、売り上げ向上に効率的な施策となります。
アンバサダーマーケティングは化粧品の熱心なファンをアンバサダーとして、SNSで使用感や使用方法を投稿してもらう方法です。
無料モニターはSNSなどでモニターを募集して、口コミを投稿してもらう施策となります。
アンバサダーも無料モニターも顧客目線で商品紹介をしてくれるので、お客様が投稿を自分ごとと捉えて購買意欲を高めます。
診断コンテンツの活用
診断コンテンツは自社が用意した設問に顧客が回答し、その診断結果をすぐに表示できるコンテンツです。
ユーザーが簡単に設問に答えられ、すぐに結果がわかることがメリット。
たとえば、今のお肌の悩みを質問し、お客様の回答にあわせておすすめ化粧品を紹介するコンテンツがおすすめです。
診断コンテンツは商品の販売促進ができるだけではなく、ユーザーのデータを取得できます。
パーソナライズされた製品提案
近年顧客の情報から、最適化した商品を提供するパーソナライズサービスが注目されています。
パーソナル化粧品は、一人一人の肌の悩みやライフスタイルに合わせて成分の配合や香り、テクスチャーを最適化します。
ネットショッピングでパーソナル化粧品を販売する場合は、アプリで顧客の診断をすることが可能です。
対面販売のような体験をしてもらうことで、顧客に合った化粧品を提案できます。
化粧品・美容品を取り扱うネットショップの成功事例
競合が多い化粧品業界は、サイトの利便性や独自の施策で他社と差別化することにより売り上げ向上が期待できます。
ここからは、化粧品・美容品を取り扱うネットショップの成功事例をご紹介します。
アットコスメ
「アットコスメ」はコスメや化粧品の口コミやランキングを掲載する、日本最大級の化粧品サイトです。
化粧品はスキンケア、ベースメイクなどの種類や肌質、配合成分別にカテゴリ分けされているので、情報を見つけやすいのが魅力です。
アットコスメは、口コミやブログ記事、売れ筋ランキングやプレゼントキャンペーンなどのコンテンツが充実していることで、多くのユーザーが利用しています。
ファンケル
「ファンケル」は肌に負担のかかるものは一切利用しないというコンセプトのもと、無添加化粧品や健康を考えた商品を販売しています。
ブランディングの成功により、他社との差別化を図ったネットショップになっています。
お買い物特典、定期便抽選、初回購入特典などのキャンペーンが充実しているのでユーザーが継続して買いやすいのが魅力です。
返品・交換・無期限保証システムがあるので、顧客が安心して買い物ができるのが特徴になります。
DHC
「DHC」はコンビニエンスストア、量販店やドラッグストアなど多くの販売網を拡大している会社です。
オンラインショップでは、定期便や割引価格の化粧品販売、会員ランクや特典などのコンテンツが充実しています。
取扱商品は、さまざまな基礎研究と安全性を追求した商品開発で、良質かつ安定した品質を提供しています。
ナチュラグラッセ
原料は天然由来100%「メイクでありながらスキンケア仕立て」がコンセプトのコスメブランドです。ナチュラルオーガニックをベースに、スキンケアからメイクグッズまで品ぞろえも豊富。パッケージがおしゃれという口コミも多く、ギフトにもおすすめです。
メイクやスキンケアのトライアルセットが充実しているので「使いはじめる前に化粧品を試してみたい」という人におすすめ。送料無料、割引、楽天ポイント還元などのキャンペーンも同時期に開催されていて、ユーザーの利便性を考えたショップ作りになっています。
MiMC
自然の力で肌本来の美しさを引き出すことをコンセプトにひとりの女性科学者によって誕生したコスメブランドです。
有害と思われる成分は使用せず、自然・天然原料に徹底してこだわった商品ラインナップ。人の肌だけではなく地球環境への負荷を減らすことも大切にしています。
メディアや雑誌などでも話題となっているミネラルリキッドファンデーションや、メイクグッズ、スキンケア商品も充実しています。
ショップサイトでは会員限定の特典やコラム、充実したお買い物ガイドなどを掲載。お客様にとって有益な情報掲載が魅力です。
まとめ
化粧品のネットショップは課題が多いのが現状ですが、バーチャルメイクサービスやオンライン接客などの新しいシステムを導入することで売り上げアップが期待できます。
化粧品は市場規模が大きく、今後も化粧品市場は拡大していく傾向です。
化粧品サイトを構築する際は他社との差別化を図るためにも、ユーザーに寄り添った環境を作りましょう。
この記事を参考に化粧品のネットショップ作りの参考にしていただければ幸いです。